ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

タグ:外傷

Biddick, Allison A., et al.
"Association between cardiac troponin I concentrations and electrocardiographic abnormalities in dogs with blunt trauma." 
Journal of Veterinary Emergency and Critical Care 30.2 (2020): 179-186.


PubMedリンク PMID:32100447
本文:無料公開なし

タイトル:鈍的外傷をおった犬における心臓トロポニンⅠ濃度と心電図異常の関連

==アブストラクト===
目的:鈍的外傷をおった犬において、正常な心臓トロポニンⅠ(cTnⅠ)濃度と正常な心電が、臨床上重要な心臓不整脈(抗不整脈治療を必要とする不整脈と定義)の発症を除外できるかどうかを調べること。

デザイン:前向き観察研究。2015年1月から2016年12月までの家庭飼育犬が登録された。

動物:病院への来院前の24時間に鈍的外傷が目撃された、または疑われた病歴のある家庭飼育犬47頭。

介入:救急治療部に入院時に犬は、標準的な3誘導心電図とcTnⅠ濃度(獣医臨床即時検査装置を用いて)の測定を行った。動物外傷トリアージ(ATT)スコア、修正グラスゴースケール(MGCS)、および外傷の性質とタイミングについての詳細が記録された。患者は最低24時間以上、ICUで持続的な心電図測定器でモニターされた。心臓のリズムを1時間毎にモニターし、異常があれば記録した。抗不整脈治療の必要性についても記録した。治療介入はなかった。

測定と主な結果
:47頭中5頭(10.6%)で、鈍的外傷後の入院中に臨床上重要な心臓不整脈がみられた。入院時の正常な心電図と正常なcTnⅠ濃度は、臨床上重要な心臓不整脈の発生の除外に対して100%の陰性的中率(NPV)をもち、正常なcTnⅠ濃度だけでもNPVは100%であった。正常な心電図単独のNPVは95.3%であった。この研究集団における生存退院は89.4%(42/47頭)であった。

結論
:鈍的外傷の犬において、cTnⅠ濃度またはcTnⅠと心電図の組み合わせは、外傷後12-24時間の間に臨床上重要な不整脈の発症リスクの高い患者を特定するために有用である可能性がある。

Dicker, Samuel A., et al.
"Diagnosis of pulmonary contusions with point‐of‐care lung ultrasonography and thoracic radiography compared to thoracic computed tomography in dogs with motor vehicle trauma: 29 cases (2017‐2018)." 
Journal of Veterinary Emergency and Critical Care.


PubMedリンク PMID:33085212
本文:無料公開なし

タイトル:自動車外傷の犬における院内即時肺超音波検査と胸部レントゲンによる肺挫傷の診断の胸部CTとの比較;29症例(2017-2018)

==アブストラクト===
目的:肺挫傷の存在と定量化を診断するために、胸部CTと比較したときの獣医ベッドサイド肺超音波検査(VetBLUE)プロトコルを用いた肺超音波検査および3方向胸部レントゲン検査の正確性を評価すること。

デザイン:2017年2月から2018年6月の間に行われた前向きのコホート研究。

施設:民間の救急紹介センター。

動物:自動車外傷を負った犬32頭が連続して登録された。3頭が統計解析から除外された。すべての犬が生存して退院した。

介入
:外傷を負ってから24時間に、肺超音波、胸部レントゲン、胸部CTを行った。VetBLUEプロトコルを用いて、血管外の肺水分を示唆するBラインとCラインの数をもとに、肺超音波検査によって肺挫傷をスコア化した。胸部レントゲンと胸部CTでは、VetBLUEプロトコルと同様な局所パターンで廃挫傷をスコア化した。肺挫傷の存在と定量化について、肺超音波検査と胸部レントゲンを、ゴールドスタンダードとなる胸部CTと比較した。

方法と主な結果
:胸部CTでは、21/29頭(72.4%)の犬が肺挫傷あり、8/29頭(27.6%)が肺挫傷なしであった。肺CTと比較した肺超音波検査では、19/21頭で肺挫傷あり(感度90.5%)、7/8頭で肺挫傷なし(特異度87.5%)であった。肺超音波検査による肺挫傷スコアは、胸部CTの肺挫傷スコアと強く相関した(R=0.8、p<0.001)。肺CTと比較した胸部レントゲンでは、14/21頭で肺挫傷あり(感度66.7%)、7/8頭で肺挫傷なし(特異度87.5%)であった。胸部レントゲンによる肺挫傷スコアは、胸部CTの肺挫傷スコアと強く相関した(R=0.74、p<0.001)。

結論
:この自動車外傷を負った犬の集団では、ゴールドスタンダートしての胸部CTと比較した場合に、肺超音波検査が肺挫傷の診断に高い感度を示した。肺超音波検査は外傷後の肺挫傷にたいして信頼できる診断を提供する。胸部レントゲンよりも肺超音波検査のほうがより多くの肺挫傷患者を同定したが、この感度の高さが統計的に有意であるかを調べるためにはさらなる研究を必要とする。

Hamil, Lauren E., et al.
"Pretreatment aerobic bacterial swab cultures to predict infection in acute open traumatic wounds: A prospective clinical study of 64 dogs." 
Veterinary Surgery (2020).

PubMedリンク PMID:32310309
本文:無料公開なし

タイトル
急性解開放性外傷性創傷において感染を予測するための治療前の好気性細菌培養;64頭の犬の前向き臨床研究

==アブストラクト=== 
目的:感染を起こした創傷における細菌種類の予測のための急性開放性外傷性創傷の最初の好気性培養の有効性を調べること。

研究デザイン:前向き臨床試験。

動物:自然に起こった急性の皮膚外傷性創傷のある犬64頭(2017-2018年)。

方法:洗浄とデブリードを行う前と後にそれぞれの創傷からスワブをとり、定量的および定性的な細菌培養を行った。来院後14日以内に感染の臨床徴候がみられた創傷については培養を再び行った。

結果:急性創傷の43/50(86%)で、洗浄前のスワブよりも、洗浄後のスワブから得られた培養のほうが細菌が少なかった。すべての一次診療獣医師すべてが、初診時の犬にβラクタム系抗菌薬を処方した。初診時の洗浄/デブリード後に培養された細菌すべてが、予防的に処方された抗菌薬に感受性を示した。術後感染は14/64(22%)で診断され、そのうち13頭で陽性の培養結果であった。初回の創傷培養の結果とその後の創感染の発生の間に相関はみられなかった。最初の創傷スワブに存在する細菌種は、その後に感染した組織から培養されたものとは相関しなかった。

結論:犬の開放性外傷性創傷の治療前の創傷の培養の結果は、その後に感染創から回収された細菌種を予測しなかった。治療前の創傷に存在する細菌叢は、創傷が外科治療後に最終的に感染を起こすかどうかを予測しなかった。

臨床的意義
:急性創傷のルーチンな培養は、その後の創傷感染の予測に役立つ可能性は低く、感染した創傷の治療のための抗菌薬の早期の選択を正確に導く可能性も低い。
 

Knight, Rebekah, and Richard L. Meeson.
"Feline head trauma: a CT analysis of skull fractures and their management in 75 cats." 
Journal of feline medicine and surgery 21.12 (2019): 1120-1126.

PubMedリンク PMID:30571454
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:猫の頭部外傷;75頭の猫の頭蓋骨骨折のCT分析とその治療

==アブストラクト=== 
目的:この研究の目的は、猫の頭部外傷による頭蓋骨骨折と併発損傷の構成と管理について記述すること。

方法:CTによって頭蓋骨骨折が確認され、保存的または外科的に治療された猫の医療記録とCT画像を再評価した。シグナルメント、徴候、 頭蓋骨骨折の構成、治療、再検査、および合併症または死亡率の詳細について記録して解析した。

結果
:75頭の猫(雄53頭、猫22頭)、平均年齢4.8±3歳齢の猫が、組み入れ基準に適合した。89%の猫で、下顎骨、上顎(上顎骨、切歯骨、鼻骨)とともに頭蓋骨の複数の骨の骨折があり、頭蓋顔面領域が最も一般的に罹患していた。側頭下顎関節の損傷が56%の猫で起きていた。交通事故が頭蓋骨骨折の最も一般的な原因であり、89%の猫で起きており、頭蓋骨の複数部位の骨折の原因となった。交通事故は高いレベルの併発損傷とも関連しており、特に眼、神経、および胸部の損傷と関連した。非交通事故性の猫では損傷はより限局していた。同数の猫が保存的または外科的(47%)に治療された。死亡率は8%であり、合併症は22%で報告された。来院時の年齢の高さと内側の上顎骨の骨折は、合併症の発症のリスク因子であった。死亡に関するリスク因子は同定されなかった。

結論と関連
:交通事故は、猫の頭蓋骨骨折の最も一般的な原因であり、頭蓋骨の多発性の骨折を引き起こし、併発損傷を頻繁に起こした。歯科咬合の問題は、治療後はまれであった。インプラントの緩みと不正咬合のリスクの増加は、口蓋骨と翼突骨の骨折および硬口蓋の損傷とともにみられた。この研究は、猫の頭蓋骨骨折、併発損傷、および治療手技に関しての有用な追加情報を提供している。

Gant, Poppy, et al. 
"Retrospective evaluation of factors influencing transfusion requirements and outcome in cats with pelvic injury (2009–2014): 122 cases."
 Journal of Veterinary Emergency and Critical Care (2019).

PubMedリンク PMID:31218799
本文:無料公開なし

タイトル:骨盤損傷の猫における輸血の必要性と転帰に影響を与える因子についての回顧的評価(2009-2014年);122症例

==アブストラクト===
目的:骨盤外傷のある猫の集団の特徴を調べ、輸血の必要性と転帰に影響を与える因子について評価すること。

デザイン:回顧的症例シリーズ(2009-2014年)。

施設:大学の教育病院。

動物:骨盤外傷のある家庭飼育猫112頭。

介入:なし。

方法と主な結果:21頭(18.8%)の猫が輸血を受けた。ほとんどの猫(85.8%)が新鮮全血の投与を1回だけ必要とした。来院時のPCVは輸血を必要とした猫で有意に低かったが、入院期間や生存退院とは関連しなかった。来院時の動物外傷トリアージ(Animal Trauma Triage;ATT)スコア の増加は、輸血の必要性(p=0.0001)と退院前の死亡(p=0.03)と有意に関連した。骨盤骨折の数は輸血の必要性と関連しなかったが、仙腸骨脱臼と恥骨の骨折は輸血を必要とすることが多かった(p=0.0015、p=0.0026)。しかし、骨折のタイプは生存退院とは関連しなかった。多くの猫(86%)が外科治療を必要とし、輸血の半数は術前に投与された。輸血の必要性や生存に関連する外科的併存疾患はなかった。輸血の必要性は入院期間の長さと関連したが、生存退院とは関連しなかった。

結論:骨盤骨折のある猫のこの集団における輸血の必要性はかなり高かった。輸血の必要性はPCVの低さ、来院時のATTスコアの高さ、入院期間の長さ、骨盤骨折の特定のタイプ、と関連した。輸血の必要性は外科的併存疾患、外科介入、または生存退院、と関連しなかった。来院時のATTスコアの低さは生存退院と関連した。
 

Hammer, Meike, et al.
"Predictors of comorbidities and mortality in cats with pelvic fractures." 
Veterinary Surgery (2019).

PubMedリンク PMID:31876001
本文:無料公開なし

タイトル:骨盤骨折のある猫における併存疾患と死亡の予測因子

==アブストラクト=== 
目的:骨盤骨折のある猫の併存疾患と死亡に対するリスク因子について評価して特徴を調べること。

研究デザイン:回顧的症例研究。

動物:猫(n=280)。

方法:医療記録を再調査し、2003年1月から2016年12月の間に骨盤骨折と診断された猫を検索した。収集したデータには、シグナルメント、損傷のメカニズム、臨床所見、画像診断結果、解剖学的部位に基づいた同時損傷の種類と数、治療の種類、および生存についての情報を含めた。骨盤骨折は部位と重症度によって分類された。記述的統計を行い、ロジスティック回帰モデル構築して、リスク因子と転帰との関連について調べた。

結果:症例は280頭の猫、そのうち体重負荷軸に関与しない損傷が(9%)、軸の片側性(43%)、および両側性(48%) であった。仙骨骨折が12%の猫でみつかった。外科治療と死亡割合、骨盤骨折の重症度とともに上昇した(p<0.001)。同時に負傷した身体部位の平均数は、2.4±1.2であり、死亡率と関連した(p<0.01)。20頭の猫が退院前に死亡した。神経学的損傷のある猫ではより死亡しやすかった(p=0.02)。

結論:骨盤骨折のある猫で、少なくとも一つの身体部位、特に腹部と胸部、における併存損傷がみられた。骨折の重症度の増加、神経学的損傷、および併存損傷の数の増加と、死亡率は関連した。

臨床的意義
:骨盤骨折のある猫では併存損傷はよくあることで、併存疾患は死亡率と関連している可能性がある。

 

Pearson, Emma‐Leigh, Megan Whelan, and Kiko Bracker.
"Escalator‐related injuries in 30 dogs (2007–2014)." 
Journal of veterinary emergency and critical care 27.4 (2017): 434-438.

PubMedリンク PMID:28510368
本文:無料公開なし

タイトル:30頭の犬のエスカレーター関連傷害(2007-2014年)

==アブストラクト===
目的:エスカレーター関連傷害を負った犬の集団について記述し、持続した傷害の種類の特徴を調べ、行われた治療について記述すること。

デザイン:2007年3月から2014年11月の間の回顧的研究。

施設:都会部の大型の紹介救急施設。

動物:エスカレーターに乗っている間に負った傷害のある家庭飼育犬30頭。

介入:なし。

方法と主な結果:この研究における全ての傷害が、1つ異常の肢がエスカレーターの可動部分の捕捉されることによっ二次的に起こったものであり、全部で39の肢が傷害された。患者の体重の中央値は4.25kgであり、患者の73.3%が体重10kg以下だった。15頭(50%)が外科的に治療され、のこりは保存的に治療された。8頭(26.7%)は断指または部分断指を行なった。保存的治療の患者では、10頭が創傷の包帯で治療された。抗菌薬、麻薬性鎮痛薬、非ステロイド性抗炎症薬が、外科患者と保存的治療患者の両方で投与された。

結論
:まれではあるが、エスカレーター事故は犬に重篤な傷害をもたらす可能性がある。飼い主教育、犬の訓練、エスカレーターの構造的修正、またはエスカレーターの回避を通じてであろうとなかろうと、こうした傷害を防ぐための対策をとることは可能である。この研究では、エスカレーターで傷害をおった犬の生存率は100%であった。
 

Zimmermann, Elke, et al.
"Serum feline-specific pancreatic lipase immunoreactivity concentrations and abdominal ultrasonographic findings in cats with trauma resulting from high-rise syndrome."
Journal of the American Veterinary Medical Association 242.9 (2013): 1238-1243.

PubMedリンク PMID:23600780
本文:無料公開なし

タイトル:高層症候群による外傷のある猫における血清猫特異的膵リパーゼ免疫反応濃度と腹部超音波検査所見

==アブストラクト===
目的:高層症候群による外傷のある猫における血清猫特異的膵リパーゼ免疫反応(fPLI)濃度と腹部超音波検査所見について調べること。

デザイン:前向き症例シリーズ。家庭飼育猫34頭。

方法:2009年3月から10月の間に高層症候群により評価を受けた猫から、血液サンプルを収集して落下から12時間以内および最初の採血から24時間、48時間、72時間後のの血清fPLI濃度を測定した。fPLI濃度>5.4μg/Lの猫を膵炎と診断した。それぞれの猫は腹部超音波検査を、48時間間隔で2回行い、膵臓の腫大、低エコー性または混合エコー性の膵臓実質、高エコー性の腸間膜、および腹水の検出を行い膵臓の外傷を評価した。各異常の存在で1ポイントを割り当て、合計スコアが3以上を外傷性膵炎の疑いとみなした。

結果:外傷性膵炎は、血清fPLI濃度と超音波所見をもとにそれぞれ9頭と8頭で診断された。膵炎のある猫ではfPLI濃度が、落下後48時間と72時間に比べて、12時間と24時間で有意に高く、血清fPLI濃度は落下後の時間とともに減少した。血清fPLI濃度と腹部超音波検査をもちいた外傷性膵炎の診断の間には、有意な一致が存在した。

結論と臨床的意義:高層症候群の猫では落下後12時間以内に血清fPLI濃度が>5.4μg/Lになることがしばしばあり、それらの猫で48時間間隔で2回の腹部超音波検査を併用すると、外傷性膵炎の検出が向上する。
 

Bonner, Sarah E., Alexander M. Reiter, and John R. Lewis.
"Orofacial manifestations of high-rise syndrome in cats: a retrospective study of 84 cases." 
Journal of veterinary dentistry29.1 (2012): 10-18.

PubMedリンク PMID:22792856
本文:無料公開なし

タイトル;高層症候群の犬の口腔顔面兆候;84症例の回顧的研究 

 ==アブストラクト===
高層外傷の猫の医療記録を再調査し、口腔顔面の傷害の発生率と臨床兆候について調べた。猫は2000年1月から2009年12月の10年間に来院した。 シグナルメント、体重、落下した階数、および生存情報について84頭で記録してあり、身体検査所見については83頭で得られた。これらの猫のうち14頭が歯科および口腔外科専門の獣医師により調べらた。平均年齢は37ヶ月であった。落下高さの平均は2.65階であり、多くの症例で猫が落下した環境については記録されておらず、安楽死を含めた全体の生存率は94.0%であり、安楽死を除いた生存率は98.8%であった。口腔顔面の所見には、両側性の鼻出血、硬口蓋の骨折±口蓋の軟部組織の裂傷、口蓋軟部組織の傷、下顎骨折、下顎結合の分離、舌損傷、顔面軟部組織の損傷、歯外傷、およびその他の口腔軟部組織の損傷が含まれた。66%の猫がある程度の口腔顔面損傷をうけた。それぞれの損傷の対応の発生率のために集団を分析した。硬口蓋骨折の合併症として、口腔鼻腔瘻が1頭の猫でみられた。可能性のある損傷の病因と治療オプションについて議論した。

 

Vnuk, Dražen, et al.
"Feline high-rise syndrome: 119 cases (1998–2001)."
 
Journal of feline medicine and surgery 6.5 (2004): 305-312.

PubMedリンク PMID: 15363762
本文:googlesholar経由で入手可能(全文) 

タイトル:猫の高層症候群(ハイライズシンドローム);119症例(1998-2001)

==アブストラクト===
4年間に119頭の猫で高層症候群(high-rise syndrome)が 診断された。猫の59.6%が1歳よりも若く、転落した高さの平均は4階であった。高層症候群は1年のうち暖かい時期により多くみられた。来院した猫の96.5%が落下後に生存した。46.2%の猫で肢の骨折があり、38.5%が前肢、61.5%が後肢であった。脛骨の骨折が最も多く(36.4%)、次に大腿骨が多かった(23.6%)。大腿骨の骨折の78.6%が遠位であった。大腿骨骨折の患者んも平均年齢は9.1ヶ月齢であり、脛骨骨折の患者の平均年齢は29.2ヶ月齢であった。胸部外傷が33.6%の猫で診断された。気胸が20%の猫でみられ、肺挫傷が13.4%でみられた。7階以上からの落下は、より重篤な外傷および胸部外傷の発生率の高さと関連した。

Taylor, J., and C. H. Tangner.
"Acquired muscle contractures in the dog and cat. A review of the literature and case report."
Veterinary and comparative orthopaedics and traumatology 2.02 (2007): 79-85.

PubMedリンク PMID:17546206
本文:googlescholar経由で入手可能(全文) 

タイトル:犬と猫の後天的な筋拘縮;文献と症例報告のレビュー

==アブストラクト===
犬と猫の筋拘縮は、いくつかの異なる筋肉が罹患することが報告されており、多くの素因が関連しており、どの筋肉が罹患するかに応じて様々な予後に関連する。ほとんどの患者では、筋拘縮があるよりも数週かから数ヶ月前にに、なんらかの外傷を負っている。臨床徴候には、跛行、痛み、虚弱、可動域の減少、筋肉全体にみられる硬さ、通常は特徴的な歩行、が含まれる。筋拘縮の素因には、コンパートメント症候群、感染、外傷、反復的な負荷、骨折、感染性疾患、免疫介在性疾患、腫瘍、および虚血が含まれる。ある品種や年齢での好発はあるようだが、動物の性別は大きな影響はない。一般的に、後肢の筋拘縮に比べて、前肢の筋拘縮は治療によく反応し良い予後をもたらす。

 

Scheepens, E. T. F., et al.
"Thoracic bite trauma in dogs: a comparison of clinical and radiological parameters with surgical results." 
Journal of small animal practice 47.12 (2006): 721-726.

PubMedリンク PMID:17201823
本文:無料公開なし

タイトル:犬の胸部咬傷;手術の結果と臨床およびレントゲンの指標との比較

==アブストラクト===
目的:犬の咬傷は、臨床的に穿刺創が明らかでなくても、重篤な深部の組織外傷の原因となり得る。胸部咬傷によって負った内部損傷の広がりを予測するための術前の診断指標の利用性を評価するために、胸部咬傷を負った45頭の犬臨床的、放射線学的、および外科的な情報を記録した。

方法:胸部咬傷を伴う45頭の様々な犬種の臨床的、放射線学的、および外科的な指標を分析した(p,0.05)。全ての犬は過去に記載されたプロトコールに従って治療され、開胸術を含む試験的手術をうけた。

結果:主に小型犬が外傷をうけていた。臨床的および放射線学的データは内部の外傷を示唆したが、内部病変の正確な指標としては信頼できなかった。肺挫傷のレントゲンでの証拠だけが、手術時に確認された肺挫傷の存在と有意に関連していた(p=0.006)。術後の創合併症のある犬は、合併症のない犬よりも死亡リスクが有意に高かった(p=0.04)。

臨床的意義
:この研究では小型犬の胸部咬傷について、フレイルチェスト/偽フレイルチェスト、肋骨骨折、レントゲンでの肺挫傷の証拠、気胸、またはそれらの組み合わせの存在下での創および胸腔の外科的探索を含めた最適な管理プロトコルに関して結論づけている。
 

Intarapanich, Nida P., et al.
"Characterization and Comparison of Injuries Caused by Accidental and Non‐accidental Blunt Force Trauma in Dogs and Cats." 
Journal of forensic sciences 61.4 (2016): 993-999.

PubMedリンク PMID:27364279
本文:googlescholarからresearchgateで入手可能(全文) 

タイトル
:犬と猫における事故および事故ではない鈍的外傷に起因する傷害の特徴と比較

==アブストラクト===
自動車事故は、しばしば 事故ではない傷害との区別が困難である。この回顧的症例対照研究では、自動車事故の外傷が判明している動物を、事故ではない外傷が判明している動物と比較した。自動車事故後に治療をうけた426頭の犬と猫と、事故でない傷害の50頭の医療記録を評価した。自動車事故に有意に関連する傷害には、骨盤骨折、気胸、肺挫傷、擦過傷、および脱手袋傷があった。事故でない傷害に関連した損傷には、頭蓋骨、歯、脊椎、および肋骨の骨折と、胸膜出血、爪の損傷、古い骨折の証拠があった。これらの傷害に対するオッズ比を報告した。自動車事故の肋骨の骨折は、体の片側性の発生がみられ、頭側肋骨の骨折が起こりやすく、一方、事故でない傷害の肋骨骨折では両側性で、頭側尾側のパターンのない発生がみられた。エビデンスに基づく傷害のパターンの確立は、臨床医が外傷の原因を鑑別するのに役立ち、動物の虐待の証拠の作成と起訴に役立つ可能性がある。
 

Basdani, Eleni, et al.
"Upper Airway Injury in Dogs Secondary to Trauma: 10 Dogs (2000–2011)." 
Journal of the American Animal Hospital Association 52.5 (2016): 291-296.

PubMedリンク
 PMID:27487354
本文: googlesholarからresearchgateで入手可能(全文

タイトル
:外傷に続発する犬の上気道損傷:10頭(2000-2011)

==アブストラクト===
外傷による上気道の裂傷もしくは狭窄で来院した10頭の犬を再調査した。気管の裂傷が7頭でみられ、気管の狭窄が1頭でみられ、 喉頭の裂開が2頭でみられた。臨床的な異常として、呼吸困難が5頭、皮下気腫が8頭、頚部創傷からの空気の漏出が7頭、ストライダーが3頭、縦隔気腫が4頭、気胸が1頭、でみられた。単純結紮縫合による再建が4頭で行われ、気管の切除と端々吻合が5頭で行われ、1頭は手術中に安楽死された。合併症は3頭でみられ、1頭で吸引性肺炎、2頭で発声の変化であった。

Jordan, C. J., Z. J. Halfacree, and M. S. Tivers.
"Airway injury associated with cervical bite wounds in dogs and cats: 56 cases."
 
Veterinary and Comparative Orthopaedics and Traumatology (VCOT) 26.2 (2013): 89-93.

PubMedリンク PMID:23238286
本文:無料公開なし

タイトル: 犬と猫における頚部咬傷に伴う気道損傷;56症例

==アブストラクト===
目的:犬と猫における頚部の咬傷に関連する気道損傷と重要な構造物への損傷の頻度、治療と転帰との関連 と調べること。

方法:電子患者記録の解雇的検索を用いて、4年間に渡り大規模な多専門動物病院に来院した頚部咬傷をうけた犬と猫を特定した。

結果:55の動物で完全な記録が得られ、1頭では2つの離れた傷をおった。14頭(25%)が重要な構造に損傷をおっており、そこには気道損傷の9頭(17%)が含まれ、6頭では外科的に確認と治療が行われた。気道損傷ではすべての動物で皮下気腫と縦隔気腫を伴っていた。その他の構造の損傷では頚静脈、咽頭、食道、および脊髄が含まれた。気道損傷は5頭で一次修復され、1頭では筋膜筋肉パッチが用いられた。入院の中央機関は1日(0-19日)であり、53頭(54症例)(96%)は生存して退院した。長期追跡(16-114ヶ月)により、49頭中43頭が生存し、6頭が無関係の理由により死亡したことが明らかとなった。

臨床的重要性:頚部咬傷は重要構造の重篤な損傷と関連する。動物の17%までが起動損傷をおう可能性がある。起動損傷の同定と治療は不可欠であり、6頭で良好な転帰と関連した。
 

Matiasovic, M., et al.
"Surgical management of impalement injuries to the trunk of dogs: a multicentre retrospective study." 
Journal of Small Animal Practice 59.3 (2018): 139-146.

PubMedリンク
 PMID: 29125177
本文:無料公開なし

タイトル:犬の体幹部への刺し傷の手術管理;多施設間回顧的研究

==アブストラクト===
目的: 胸部および/または腹部への外傷性の刺し傷の治療で紹介された一連の犬を再調査し、病因、損傷の特徴、治療、および長期的転帰を報告すること。

方法:11年間にわたり英国の6つの獣医専門紹介施設で、体幹の刺し傷を外科的に治療した犬について過去に収集したデータを再調査した。データには患者のシグナルメント、生理学的変数、損傷特異的な変数、画像診断の結果、行われた手術手技、入院期間、抗菌薬の使用、合併症、および転帰が含まれた。データは要約統計量として報告した。

結果:54頭の犬が組み入れられた。刺し傷は木製品(n=34)によって最も多く起こり、胸腔では穿通が多かった(n=37)。CT撮影は、木製品の同定のための感度と特異度がそれぞれ64%と88%であった(n=11)。開胸術が56%、開腹術が20%で行われ、それらの患者の37%で、手術中に異物もしくはその破片が取り出された。合併症は19頭(35%)でみられ、68%は軽度で、32%は重度なものであった。開胸術の症例の生存率は93%(n=30)であった。全体も長期生存率は90%であった。

臨床的意義
:しばしば刺し傷による来院は派手なものであるにも関わらず、専門紹介施設で治療をうけた患者の大多数は良好な転帰を達成できる。これらの損傷は、十分な外科的探索と治療の前の徹底した画像診断と評価、および周術期・術後の麻酔と集中治療による強化を必要とする。それゆえ、安定した患者ではこれらのケアを提供できる施設へ紹介すべきである。


==訳者コメント===
紹介病院(二次施設)のデータで、かつ手術を行った母集団での成績ということに注意したいです。二次病院へ送ることができ、かつ手術が行える状況の犬の集団のデータということで、裏を返せば二次病院へ送る前に亡くなってしまったり、手術ができないほどひどい状況の犬は含まれていないということになるので、成績がいいのにはそれなりの理由があるということになると思います。
 

Gower, Sara B., Chick W. Weisse, and Dorothy C. Brown.
"Major abdominal evisceration injuries in dogs and cats: 12 cases (1998–2008)."
 
Journal of the American Veterinary Medical Association 234.12 (2009): 1566-1572.

PubMedリンク PMID:19527132
本文:googlescholar経由で入手可能(全文) 

タイトル:犬と猫の深刻な腹部内臓脱出損傷:12症例(1998-2008)

==アブストラクト===
目的: 深刻な腹部内臓脱出を外科的に治療した犬と猫の、臨床的特徴、治療、合併症、転帰を記述すること。

デザイン:回顧的症例シリーズ。

動物:犬8頭、猫4頭。

方法:1998年1月から2008年3月までの医療記録を再調査し、深刻な腹部内臓脱出に対する外科治療を実施した動物を同定した。内臓脱出の原因、シグナルメント、生物学的変数、血液学的変数に関する情報を収集した。治療の詳細、入院期間、および転帰を記録した。線形回帰分析を行い、入院日数に対するシグナルメント、生物学的変数、および血液学的変数の関係性を評価した。

結果:深刻な腹部内臓脱出は、4頭で外傷による二次的なものであり、8頭で術後の裂開による二次的なものであった。すべての動物で腸の脱出があり、土、葉、ごみなどによる大量の汚染があった。2頭は脾臓が脱出しており、1頭は結腸の穿孔があり糞便が腹腔内に漏出していた。すべての動物で試験開腹が行われた。実施された手術手技には、損傷した腸管の切除、体壁の修復、横隔膜ヘルニアの修復、腎摘出、脾臓摘出、および結腸の修復が含まれた。すべての動物は生存して退院した。入院の中央期間は4日(範囲1-7日)であった。入院期間を増加させる因子として、外傷に続発した内臓脱出、来院時の乳酸の高値、、および小さ体格が含まれた。

結論と臨床的関連
;犬と猫では深刻な内臓脱出の見た目が劇的であっても、迅速かつ積極的な内科的および外科的介入が良好な転帰をもたらすことができる。 


==訳者コメント===
この研究の母集団はあくまで、”手術を行った”内臓脱出の患者です。うらを返せば、手術を行わなかった・行えなかった患者(手術前に死亡したり、予後不良と判断されたり)は含まれていないということです。この研究での生存率はそういった選ばれた患者のそれであることは意識しておく必要がありそうです。

 

Soukup, Jason W., Scott Hetzel, and Annie Paul.
"Classification and epidemiology of traumatic dentoalveolar injuries in dogs and cats: 959 injuries in 660 patient visits (2004–2012)." 
Journal of veterinary dentistry 32.1 (2015): 6-14.

PubMedリンク PMID:26197685
本文:無料公開なし 

タイトル
:犬と猫における外傷性歯槽骨損傷の分類と疫学;660頭の来院における959の損傷(2004-2012年)

==アブストラクト===
この研究の目的は、犬と猫における
外傷性歯槽骨損傷の疫学を調べ、ヒトの分類システムの犬と猫の外傷性歯槽骨損傷への適応性を評価することである。

ウィスコンシンマディソン大学獣医学科歯科口腔外科部門の症例記録と病院患者処理ソフトウェアから、外傷性歯槽骨損傷と診断された患者全てを同定した。研究集団は、口腔治療での来院し画像診断を含む医療記録から少なくとも1つの外傷性歯槽骨損傷と診断された、
、2004年から2012年の間の合計で660頭の来院、621頭の犬と猫の研究集団を、人の外傷性歯槽骨損傷の分類システムに従って損傷のグループに再評価した。患者のシグナルメント、歯の損傷、患者あたりの損傷の数、を記録し集計した。外傷性歯槽骨損傷の全体の罹患率は26.2%であった。患者あたりの外傷性歯槽骨損傷の平均(±標準偏差)は、1.45(±0.85)であった、ヒトで利用される分類システムによって認識される外傷性歯槽骨損傷の全14クラスが同定され、この研究で同定された外傷性歯槽骨損傷の全ては、このシステムを用いて分類可能であった。エナメル質象牙質骨折(49.6%)は最も多い外傷性歯槽骨損傷であった。最も損傷の多かった歯は、上顎もしくは下顎の犬歯(35.5%)であった。最も多い年齢は、犬で3-6歳(33.0%)、猫で7-10歳(31.3%)であった。

4頭に1頭の頻度で、外傷性歯槽骨損傷は一般的であり、ペットの健康上の重要な関心である。多くの外傷性歯槽骨損傷は重篤であり、適時に、時には即時的な治療を必要である。動物における外傷性歯槽骨損傷の将来の疫学的研究を改善するために、この研究で使用されているような、完全な分類システムの採用と利用が推奨される。

Mulherin, Brenda L., et al.
"Retrospective Evaluation of Canine and Feline Maxillomandibular Trauma Cases; Comparison of Lunar Cycle and Seasonality with Non-maxillomandibular Traumatic Injuries (2003-2012)." 
Veterinary and comparative orthopaedics and traumatology: VCOT 27.3 (2014): 198.

PubMedリンク PMID:24569925
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル:犬と猫の上下顎外傷症例の回顧的評価。非上下顎外傷との月周期および季節性の比較。(2003-2012年)

==アブストラクト===
目的
:季節性および月周期と、犬と猫の外傷患者における上下顎傷害および非上下顎傷害の頻度との間の関係性を調べること。

方法
:医療記録データベースを検索し、検索基準に則ってすべての上下顎患者(n=67)と無作為抽出された非上下顎外傷の患者(n=129)と同定した。傷害の季節、月の位相、および月の明るさを障害の日付から計算した。

結果
:上下顎の傷害は、春に多く発生し、冬には減少したが、非上下顎の傷害は夏と秋により頻繁に発生した。異なる季節における上下顎傷害と非上下顎外傷の頻度における差は有意ではなかった(p=0.071)。満月の前後四半期に起こった傷害時の月の明るさの程度を比較すると、満月の直後に起こる傷害の数が多く差としてみられた(p=0.007)。

臨床的重要性
: これらの結果は、特定の季節もしくは月位相の時期に救急に来院した外傷患者を綿密に評価するために、臨床家のガイドになる可能性がある。傷害時の季節に基づき、上下顎と非上下顎の外傷に対する評価を選択することが適切である。

Mulherin, Brenda L., et al.
"Retrospective Evaluation of Canine and Feline Maxillomandibular Trauma Cases; Comparison of Lunar Cycle and Seasonality with Non-maxillomandibular Traumatic Injuries (2003-2012)." 
Veterinary and comparative orthopaedics and traumatology: VCOT 27.3 (2014): 198.

PubMedリンク PMID:24569903
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル:犬と猫の上下顎外傷症例の回顧的評価。上下顎ではない外傷のシグナルメントとの比較。(2003-2012年)

==アブストラクト===
目的
:上下顎の外傷患者と非上下顎の外傷患者とのシグナルメントの違いを調べ、受けた傷害の予測に役立てること。

方法
:医療記録の医療記録のデータベースを検索し、2003年12月から2012年9月までのすべての上顎下顎外傷患者を特定した。無作為抽出した非上顎下顎外傷患者を対照とした。患者の種類、年齢、性別、体重。および傷害の原因を、両群で記録した。

結果
:67頭の上下顎外傷患者と、129頭の非上顎下顎外傷患者が同定された。猫の患者では、非上下顎外傷と比較して、上下顎外傷で来院する割合がおよそ2倍であった。犬の患者において、上下顎傷害の患者の体重の中央値は、非上下顎の患者よりも有意に低かった(p=0.025)。上下顎外傷および非上下顎外傷の集団に関連する傷害の原因の間には有意な関連があった(p=0.000023)。上下顎外傷の患者は、動物のけんかの結果として傷害を被ることがより多かった(Bonferroni p=0.001)、一方で非上下顎外傷では、交通事故による結果であることが多かった(Bonferroni p=0.001)。全体の患者集団との比較において、外傷時の年齢が1歳以下の動物が後発(65/196)であった。

臨床的重要性
:この研究の結果は救急で来院した外傷患者の評価とスクリーニングにおいて、臨床医のガイドとして役立つ可能性がある。猫、小型犬、および動物のけんかをうけた患者では、上下顎傷害について綿密に評価すべきである。 

Lopes, Fernanda M., et al.
"Oral fractures in dogs of Brazil—a retrospective study." 
Journal of veterinary dentistry 22.2 (2005): 86-90.

PubMedリンク PMID:16149386
本文:googlescholarからresearchgateで入手可能(全文) 

タイトル
:ブラジルの犬における口腔の骨折;後ろ向き研究

==アブストラクト===
121の下顎骨折と21の上顎骨折のある100頭の犬で回顧的研究を行なった。犬のけんか(43.0%)と交通事故(12.0%) が最も多い骨折の原因であった。23.0%は骨折の原因が不明で、13.0%では病的骨折であった。若い犬(1歳未満)と8歳以上の犬が最も多く罹患した。下顎骨折は90頭(90%)の犬で起こり、2頭(2.2%)は上顎骨折も併発していた。大臼歯部(47.1%)が、下顎骨折で最も多い罹患部位であり、次いで下顎結合部・傍結合部(30.6%)、小臼歯部(17.4%)、角突起(4.1%)、および垂直枝(0.8%)であった。下顎部の骨折では、下顎第一大臼歯(85.9%)が巻き込まれることが多く、
下顎結合部・傍結合部の骨折の67.5%では犬歯が巻き込まれた。上顎の骨折で最も多いのは上顎骨(52.4%)であり、次いで切歯(33.3%)、口蓋骨(9.5%)、鼻骨(4.8%)であった。

 

Sellon, Debra C., et al.
"A survey of risk factors for digit injuries among dogs training and competing in agility events."
Journal of the American Veterinary Medical Association 252.1 (2018): 75-83.

PubMedリンク PMID:29244607
本文:無料公開なし

タイトル:アジリティー種目の訓練や競争をする犬の間での指の怪我の危険因子の調査

==アブストラクト===
 目的:アジリティー種目の訓練や競争をする犬における指の怪我について可能性のある危険因子を特定すること。

デザイン:インターネットベースの回顧的な横断調査 。

動物: アジリティー種目の訓練もしくは競争を行っている犬1,081頭。

方法:アジリティー関連の活動に参加している犬のトレーナーと電子的に分配された回顧的調査により、適合する動物の情報を収集した。人口統計(ハンドラー)とシグナルメント(犬)の情報、犬の身体的特徴、怪我の特徴についての変数を評価した。類似したアジリティー関連の活動で競争を行ったが、指の怪我がなかった犬についての別の調査も実施した。多変量ロジスティック回帰を用いて、危険因子の評価のためのモデルを作成した。

結果:指の怪我のあるアジリティー犬207頭と、指の怪我のないアジリティー犬874頭からデータを収集した。外傷のオッズの有意な増加に関連する要因は、ボーダーコリー(オッズ比(OR),2.3;95%信頼区間(CI),1.5-3.3)、爪が長い(OR,2.4;95%CI,1.3-4.5)、前肢の狼爪の欠如(OR,1.9;95%CI,1.3-2.6)、重量・体高比の多さ(OR,1.5;95%CI,1.1-2.0)が含まれた。怪我のオッズは犬の年齢の増加によって減少した(OR,0.8;95%CI,0.76-0.86)。

結論と臨床的関連:潜在的な回答者、思い出しバイアス、医療記録の再調査が欠如していることなどから、この研究の結果は注意して解釈するべきである。それにも関わらず、訓練や競争に向けて健康な狼爪を温存し、除脂肪体重を維持し、爪を短くトリミングすることは、指の怪我の起りやすさを減らすことができるかもしれない。アジリティー活動で競争する犬に対して、訓練内容、障害物の構造の特徴、地面の考慮の調査が指示される。


 

Chai, Orit, et al.
"Computed tomographic findings in dogs with head trauma and development of a novel prognostic computed tomography–based scoring system."
 
American Journal of Veterinary Research 78.9 (2017): 1085-1090.

PubMedリンク
本文:無料公開なし

タイトル
:頭部外傷の犬におけるCT所見と新しいCTベース予後スコアリングシステムの開発

==アブストラクト===

目的
:頭部外傷の犬におけるCT所見と転帰を特徴付け、予後スケールをデザインすること。

動物
:頭部外傷後72時間以内にKoret School of Veterinary Teaching Hospitalに来院し、頭部のCT検査を行った犬27頭。

手順:医療記録から、犬のシグナルメント、病歴、身体検査所見、神経学的検査所見、修正グラスゴー昏睡スケールのスコアをデータとして抽出した。すべてのCT画像は犬の状態を知らない放射線科医が回顧的に評価した。短期(外傷後10日)と長期(外傷後6ヶ月以上)の転帰を決定し、CT所見とその他の変数と予後との関連を分析した。その結果をもとに、CTベース予後スケールを開発した。

結果
:頭蓋骨の骨折、軟部組織の異常、もしくはその両方が27頭中24頭(89%)の犬のCTで確認された。3頭(11%)の犬は顔面の骨折のみであった。頭蓋内出血が16頭(59%)、頭蓋骨の骨折が15頭(56%)、正中線の変位14頭(52頭)、側脳室の非対称12頭(44%)、水頭症7頭(26%)であった。出血と脳室の非対称性はそれぞれ、短期および長期の生存に有意な負の関連があった。出血、正中線の変位もしくは側脳室の非対称性、頭蓋骨の骨折、圧迫性骨折(それぞれ1点)とテント下病変(3点)を含む、7点性の予後スケールを開発した。

結論と臨床的関連
:ここで報告された所見は他の頭部外傷の犬の予後を決定するのに役立つかもしれない。開発した予後スケールは頭部外傷の犬の転帰を評価するのに役立つかもしれないが、臨床応用する前に検証されなければならない。


==訳者コメント===
  • 今回の開発したという予後スケールは検証の研究が行われないと、現段階では使えるのか使えないのかはわからないです。
  • アブストラクト中にもせめて死亡率などの情報を入れて欲しいものです。
  • 頭部外傷の犬にCTをとるかどうかという点については予後予測のためよりも、治療アクションを変えるかどうかが知りたいところです。治療に影響をしないのであれば外傷の急性期にCTをとるメリットは少ないと思いますので。

 

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