ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

タグ:尿失禁

Schwarz, Tobias, et al. "Four‐dimensional CT excretory urography is an accurate technique for diagnosis of canine ureteral ectopia." Veterinary Radiology & Ultrasound (2020).

PubMedリンク PMID:33350535
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:犬の異所性尿管の診断において4次元CTの排泄性尿路造影は正確な手法である

==アブストラクト===
CT排泄造影は、犬の異所性尿管の検査でよく用いられる。最新の技術により、検出器のコリメーションを超える距離で次回分解CTイメージング(4次元CT排泄性尿路造影)が可能となる。この前向き観察診断性能研究の目的は、下部尿路聴講のある犬におけるCT排泄性尿路造影と4DCT排泄性尿路造影の診断性能を評価し、骨盤の角度を評価し、異所性尿管の診断のための尿管膀胱接合部の角度を決定することである。

合計で36頭の犬(正常な尿管42、壁内異所性尿管27、壁外異所性尿管3)が、ランダムな骨盤の位置でCT排泄性尿路造影および4DCT排泄性尿路造影を行った。ランダム化されたCT排泄性尿路造影と4DCT排泄性尿路造影は、2人の観察者によって尿管乳頭の位置と壁についての分類シェーマによって分類された。尿管の位置と診断に対する観察者間の一致、感度、および特異度を算出した。

CT排泄性尿路造影は、左側尿管に対する中程度の観察者間の一致を示し、右尿管に対して完全な一致を示し、一方で4DCT排泄性尿路造影では両側の尿管でほぼ完全な観察者間の一致を示した。
確定診断と比較した時に、CT排泄性尿路造影は、感度73%、特異度90.2%であったが、4DCT排泄性尿路造影は感度97%、特異度94.6%であった。鈍角の尿管膀胱接合部の角度は、正常な尿管よりも壁内の異所性尿管でよく観察され、それは異所性尿管の診断の信頼性の向上と有意に関連した。尿管開口部の位置を決定するための骨盤の角度のためのくさびの使用は、診断精度を上昇させなかった。

4DCT排泄性尿路造影は、犬の尿失禁の原因としての異所性尿管を調べるために正確で信頼性の高い診断手法であり、通常のCT排泄性尿路造影よりもわずかに優れている。

Noël, Stéphanie M., Stéphanie Claeys, and Annick J. Hamaide.
"Surgical management of ectopic ureters in dogs: Clinical outcome and prognostic factors for long‐term continence." 
Veterinary surgery 46.5 (2017): 631-641.

PubMedリンク PMID:28390102
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:犬の異所性尿管の外科治療;臨床的転帰と長期自制の予後因子

==アブストラクト=== 
目的:異所性尿管の外科的矯正の転帰を調べ、長期自制の予後因子を特定すること。

研究デザイン:回顧的研究。

動物:犬47頭(雌36頭、雄11頭)。

方法:異所性尿管の外科的矯正を行なった犬の医療記録(1999-2016年)のを再調査した。尿失禁スコア(1=失禁、2=散発的な失禁、3=自制)を、術前、退院時、術後1ヶ月、および長期で評価した。

結果
:28頭が片側性の異所性尿管、19頭が両側性の異所性尿管(壁内55、壁外9)であった。19頭は骨盤膀胱であった。切開を伴う新尿管瘻(n=50)、尿管膀胱新吻合(n=9)、または腎尿管切除(n=7)が行われた。33頭が中性化された(32頭が術前・術中、1頭は手術後)。膀胱頚部挙上術(Colposuspension)が15頭で手術中に行われた。補助的な内科治療は術後の自制スコアを改善した。自制スコアの中央値は、術前(1)に比べて、退院時(3)、術後1ヶ月(3)、長期(3)で高かった。長期評価(平均46.1ヶ月)において、スコア1は19%、スコア2は7%、スコア3は74%であった。

結論
:全体で、良好(スコア2)から優良(スコア3)の長期転帰が81%の犬で達成された。 長期的な自制は内科治療で改善され、この集団の犬においては中性化は尿失禁の再発リスクの増加と関連しなかった。
 

Hammel, Scott P., and Dale E. Bjorling.
"Results of vulvoplasty for treatment of recessed vulva in dogs." 
Journal of the American Animal Hospital Association 38.1 (2002): 79-83.

PubMedリンク PMID:11804321
本文:無料公開なし

タイトル
:犬の陥凹外陰部の治療として外陰部形成術の結果

==アブストラクト=== 
1987-1999年の間にウィスコンシン大学獣医教育病院で手術を行なった犬34頭において外陰部形成術の結果を評価した。症例記録を評価し、飼い主に電話で質問をした。最初の検査時に若齢または陥凹外陰部の最も多い臨床徴候には、外陰部周囲皮膚炎が59%(20/34頭)でみられ、尿失禁と慢性下部尿路感染がそれぞれ56%(19/34頭)でみられた。その他の多かった訴えには、多尿、外的刺激、膣炎が含まれた。多くの犬は1歳未満で臨床徴候を発症した。1頭のビションフリーゼを除く全ての犬が中型〜大型犬であり、外陰部の立体構造は成長速後または体の立体構造に関連している可能性が示唆され、以前の卵巣子宮摘出術影響因子ではないようだった。飼い主の82%が、手術の結果は少なくとも満足できるものと評価した。尿失禁の有病率は、外陰部形成術によって減少したが、手術後の最も多い残徴候であり、多因子性の病因を示唆している。下部尿路感染、膣炎、外的刺激の有病率は手術後に大幅に減少した。

Sacks, Margot K., and Romain Beraud.
"Female pseudo-hermaphroditism with cloacal malformation and related anomalies in a dog."
 
The Canadian Veterinary Journal 53.10 (2012): 1105.

PubMedリンク PMID:23543931
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬の総排泄腔奇形とそれに関連した異常を伴う雌の仮性半陰陽

==アブストラクト=== 
7歳齢の未避妊の雌のジャーマンシェパードドッグが、再発性の尿路感染と尿失禁、不明瞭な外性器(ペニスを含む肥大した外陰部)、および肛門膣前庭瘻で来院した。解剖学的構造、病理組織学的、および核型分析によって、雌の仮性半陰陽の診断が支持され、結果として総排泄腔奇形を伴う子宮の雄性化を起こしたと仮説を立てた。
 

Hamon, Martin, et al.
"Long‐term outcome of the transobturator vaginal tape inside out for the treatment of urethral sphincter mechanism incompetence in female dogs." 
Veterinary Surgery48.1 (2019): 29-34.

PubMedリンク PMID:30376185
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:雌犬の尿道括約筋機構不全の治療としての内側-外側の経閉鎖筋膣テープの長期転帰

==アブストラクト=== 
目的
:尿道括約筋機構不全のある雌犬における内側-外側の経閉鎖筋膣テープの長期的な効果を評価すること。

研究デザイン:回顧的研究。

動物:尿失禁のある避妊済みの雌犬(n=12)

方法
: 尿道括約筋機構不全と診断された尿失禁のある雌犬12頭に内側-外側経閉鎖筋膣テープを挿入した。追跡情報は電話でのアンケートにより評価し、随意調節スコアに寄与させた。

結果:手術から1年後、12頭中7頭(58%)が完全に随意調節できていた。 2頭は長期解析からは除外された(1頭は死亡、1頭は追跡不能)。中央追跡期間の85ヶ月(範囲28-95)の時点で、10頭中4頭が、内科治療無しに完全な随意調節ができていた。6頭で、中央値で術後2ヶ月(範囲 1-20ヶ月)で、尿失禁が再発した。これらの6頭のうち、4頭は再び随意調節をとりもどし、2頭は散発的な尿失禁があり追加の治療を行なった。術後の合併症は発生しなかった。

結論
: 内側-外側経閉鎖筋膣テープは40%に犬で長期的な随意調節の管理に成功した。他の40%の犬では、随意調節を取り戻すための術後の追加の内科治療が有効であった。

臨床的意義
内側-外側経閉鎖筋膣テープは、尿道括約筋機構不全の代替的な治療を提供し、それは標準的な外科手技よりも安全で侵襲性が低かった 。
 

Owen, L. J.
"Ureteral ectopia and urethral sphincter mechanism incompetence: an update on diagnosis and management options." 
Journal of Small Animal Practice 60.1 (2019): 3-17.

PubMedリンク PMID:30374968
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:異所性尿管および尿道括約筋機構不全

==アブストラクト===
犬の尿失禁を引き起こす2つの主な原因は、若齢犬の異所性尿管と成犬の尿道括約筋機構不全である。異所性尿管の診断の正確性はCTおよび/または膀胱鏡の使用の増加により改善している一方で、尿道括約筋機構不全の診断は概して除外診断のままである。いずれも長期の尿失禁はそれほど改善しておらず、これらの障害の背景にある病態生理学もよく理解はされていないものの、これらの病態に対する新たな治療オプションは開発されており、罹患率や死亡率を低下させている。このレビューではこれらの病態の治療のアップデートを紹介し、議論のある分野についてディスカッションし、将来の方向性について検討する。

 

Hall, J. L., et al.
"Urinary incontinence in male dogs under primary veterinary care in England: prevalence and risk factors." 
Journal of Small Animal Practice (2018).

PubMedリンク PMID:30387152
本文:無料公開なし

タイトル:イギリスの獣医一次診療における雄犬の尿失禁;有病率とリスク因子

==アブストラクト===
目的:雄犬の尿失禁の有病率を推定し、人口統計学的なリスク因子を特定すること。

方法:研究集団には、2009年9月1日から2013年7月7日の間のVetCompassデータベースにある全ての犬を含めた。患者の電子記録を検索し、尿失禁の患者を調べ、人口統計学的および臨床的な情報を抽出して分析した。

結果
:イギリスの119の診療所に通っている109,428頭の雄犬のうち、尿失禁を診断された犬は1027頭と推定され、有病率は0.94%(95%信頼区間 0.88-1.00)であった。
雄犬の尿失禁のオッズが最も高い犬種(雑種犬と比較して)は、
ブルマスチフ(オッズ比 17.21、95%CI 6.65-44.56、症例=5、非症例=314、p<0.001)、
アイリッシュレッドセッター
(オッズ比 12.79、95%CI  4.83-33.84、症例=5、非症例=142、p<0.001)、
フォックステリア
(オッズ比 9.60、95%CI 3.68-25.5、症例=5、非症例=176、p<0.001)、
ブルドッグ
(オッズ比 5.72、95%CI 2.24-14.59、症例=5、非症例=929、p<0.001)、
ボクサー
(オッズ比 3.65、95%CI 1.84-7.25、症例=5、非症例=1470、p<0.001)、
であった。 
尿失禁のオッズ比の上昇は、高い年齢(年齢9-12歳、オッズ比 10.46、95%CI 6.59-16.62、n=12,348、p<0.001)および保険に入っていること(オッズ比 1.96、95%CI 1.53-2.51、n=26,202、p<0.001)と相関していた。多変量解析によって、去勢手術または体重との関連はなかった。

臨床的意義
:雄犬における尿失禁の全体的な有病率はおよそ1%であり、これはこの問題にについての報告が希薄であることからの予測よりも高いものかもしれない。雌犬とは対照的に、中性化と体重は尿失禁のオッズの増加と関連はしておらず、それは中性化の助言をする際に重要なことである。

 

Currao, Rachael L., et al.
"Use of a percutaneously controlled urethral hydraulic occluder for treatment of refractory urinary incontinence in 18 female dogs."
 
Veterinary Surgery 42.4 (2013): 440-447.

PubMedリンク PMID:23298302
本文:googlescholarから入手可能(全文) 

タイトル:18頭の雌犬における難治性の尿失禁の治療としての経皮的に調節可能な水圧式尿道閉鎖の使用

==アブストラクト===
目的:様々な尿路異常のある雌犬の難治性尿失禁の治療としての経皮的に調節可能な水圧式尿道閉鎖デバイスの有効性と安全性を評価すること。

研究デザイン:症例シリーズ。

動物:難治性尿失禁のある雌犬(n=18)。

方法:水圧式尿道閉鎖シリコンリング を近位尿道周囲に外科的に設置した犬の回顧的な評価。リングは作動チューブで皮下の注入ポートに接続した。残存する尿失禁は、皮下からの生理食塩水を注入して、デバイスによる管外の尿道圧縮をあたえて治療した。設定された時点で、犬の随意調節(飼い主評価の10段階の随意調節スケール)と合併症を評価した。

結果:18頭すべての犬で、水圧式尿道閉鎖後に随意調節スコアが優位に改善し(中央値と平均値、施述前:2.8と3.3、施術後:10と8.9、p<0.001) 、追跡期間の中央値は32ヶ月であった。”機能的な”随意調節(スコア≧9)は、水圧式尿道閉鎖のあとに67%の犬が達成したが、13/18人の飼い主のみが価格の上昇を受け入れていた。受け入れている飼い主に飼われている犬の、12頭(92%)が機能的な随意調節スコアであった。6頭(33%)では随意調節を達成するための価格の上昇を要求しなかった。尿道閉塞の合併症が3頭でみられた。

結論
:水圧式閉鎖デバイスの使用は、古典的な治療オプションがうまくいかない場合の難治性尿失禁の長期的な治療に有効であった 。この方法はいくつかの合併症があり、それらのリスクは使用の前に考慮しておくべきだ。
 

Gomes, Cesar, et al.
"Long-Term Outcome of Female Dogs Treated with Static Hydraulic Urethral Sphincter for Urethral Sphincter Mechanism Incompetence." 

Journal of the American Animal Hospital Association
 (2018).

PubMedリンク PMID:30040444
本文無料公開なし

タイトル
:尿道括約筋機能不全に静水圧尿道括約筋による治療を行った雌犬の長期的な転帰

==アブストラクト===
この研究の目的は、雌犬の尿道括約筋機能不全の治療に対する静水圧尿道括約筋の使用について、術後の転帰、合併症、長期追跡について報告することである。

医療記録を再調査し、長期(365日以上)の転帰のデータの情報を抽出した。電話での飼い主への聞き取りを行い、術後の尿随意調節スコア(スコア1-10、10は完全な随意調節)と、合併症の有無と頻度を評価した。

20頭の雌犬が組み入れられた。追跡期間の平均(±標準偏差)は、1205.1日(±627.4)であった。随意調節スコアの中央値は、術前が3.5(範囲2-6) であり、追跡期間の最終時点が9.0(7-10)であった。随意調節スコアの中央値は、手術前と比較して、手術後のすべての時点で有意に高かった(p<0.001)。完全な随意調節は90%の雌犬で達成された。軽微な合併症が13頭でみられ、排尿障害(8)、細菌性膀胱炎(8)、排尿時間の延長(10)、切開部の漿液腫(5)、尿閉(3)、血尿(2)、および排尿痛(2)は含まれた。重篤な合併症は1頭の犬でみられた(静水圧尿道括約筋は設置後28ヶ月で除去された)。

随意排尿スコアは長期にわたり持続的に改善した。合併症は多くが軽微なものであった。尿路感染は最も多かったが、古典的な抗菌薬治療でで解消した。

 

Reeves, Lauren, et al.
"Outcome after placement of an artificial urethral sphincter in 27 dogs."
 
Veterinary Surgery 42.1 (2013): 12-18.

PubMedリンク PMID:23163231
本文:無料公開なし

タイトル:27頭の犬における人工尿道括約筋の設置後の転帰:

==アブストラクト===
目的
:先天性もしくは後天性尿失禁の犬の集団における調節可能人工尿道括約筋の効果と安全性について評価すること。

研究デザイン
:症例シリーズ。

動物
:自然発生性の尿失禁のある犬(n=27)。

方法
:尿失禁の治療のために調節可能人工尿道括約筋の埋め込みを行った犬の医療記録(2009年1月ー2011年7月)を再調査し、飼い主に電話で質問をして転帰について評価した。随意調節について過去に確立されたアナログスケールを用いてスコア化し、1は常に漏れ出る状態、10は完全な随意調節とした。

結果
:24頭の雌犬と3頭の雄犬が 調節可能人工尿道括約筋の埋め込みをうけた。尿失禁の原因には、尿道括約筋機能不全(n=18)、異所性尿管整復後の持続する尿失禁(6)、骨盤膀胱(3)が含まれた。25頭で調節可能人工尿道括約筋埋め込み前の内科治療がうまくいかなかった。25頭の犬で重大な合併症なく手術が行われ、2頭は術後5ヶ月と9ヶ月に尿道の部分閉塞が起こった。25頭の追跡期間の中央値(四分位範囲)は、12.5(6-19)ヶ月であった。随意調節スコアは、術前(2[1-4])と追跡期間の最後(9[8-10)]の間で、有意な改善がみられた(p<0.0001)。全体で、22人の飼い主が非常に満足している、2人が満足している、3人が満足していない、と答えた。

結論
調節可能人工尿道括約筋の埋め込みは、雄および雌の先天性および後天性の尿失禁の両方で、随意調節の改善に成功した。部分的な尿道閉塞の発症した犬では調節可能人工尿道括約筋の除去が必要になる可能性がある。
 

Delisser, P. J., et al.
"Static hydraulic urethral sphincter for treatment of urethral sphincter mechanism incompetence in 11 dogs." 
Journal of Small Animal Practice 53.6 (2012): 338-343.

PubMedリンク PMID:22647212
本文:無料公開なし 

タイトル:11頭の犬における尿道括約筋機能不全の治療としての静水圧尿道括約筋

==アブストラクト===
目的:静水圧尿道括約筋で治療した尿道括約筋機能不全に関連した術後の結果と合併症について再調査すること。

方法:症例記録と飼い主への電話質問を回顧的にに使用し、術後の尿随意調節スコア(1:常に漏れる 〜10:完全に漏れない)と、合併症の有無と頻度について評価した。

結果:11頭の避妊済み雌が含まれた。随意調節スコアの中央値は、術前が3(範囲 2-6)であり、術後2週間が8(4-10)、3ヶ月が9(4-10)、6ヶ月が8(4-10)であった。最後の調査時点で、、随意調節スコアの中央値は9(5-10)であり、手術前よりも有意に良かった(p=0.004)。完全な 尿調節は36.4%の犬で達成された。追跡期間の中央値は、412日(範囲118-749)であった。合併症11頭中9頭でみられ、排尿障害(n=7)、細菌性膀胱炎(n=7)、排尿時間の延長(n=8)、尿閉(n=3)、血尿(n=1)、疼痛(n=3)、および切開部の漿液腫(n=3)が含まれた。

臨床的意義
:静水圧尿道括約筋は、軽微な合併症が頻繁にみられたが、重大な合併症(例えば再手術が必要になるような)はなかった。随意調節スコアは、手術前のものよりも有意に改善し、括約筋の膨張後のさらなる改善が望める。
 

O'neill, D. G., et al.
"Urinary incontinence in bitches under primary veterinary care in England: prevalence and risk factors." 
Journal of Small Animal Practice 58.12 (2017): 685-693.

PubMedリンク
本文:無料公開なし

タイトル: 英国の一次動物病院における雌犬の尿失禁:有病率と危険因子

==アブストラクト===
目的
:英国の一次動物病院における雌犬の尿失禁の有病率と人口統計的危険因子を推定すること。

方法
: 調査集団には、2009年9月1日から2013年7月7日まで、VetCompassデータベースのすべての雌犬を含めた。電子患者記録を尿失禁症例について検索し、さらに人口統計情報と臨床情報を抽出した。

結果
: 英国の119の診療所に通う100,397頭の雌犬のうち、3108頭が尿失禁と診断された。尿失禁の有病率は3.14%(95%信頼区間:2.97-3.33)であった。内科治療は45.6%の症例に処方された。好発犬種はアイリッシュセッター(オッズ比:8.09, 95%信頼区間3.15-20.80, P<0.001)とドーベルマン(オッズ比:7.98, 95%信頼区間4.38-14.54, P<0.001)であった。尿失禁の診断のオッズの増加は以下と関連していた
(1)体重が犬種の成犬平均体重以上であること(
オッズ比:1.31, 95%信頼区間1.12-1.54, P<0.001)
(2)年齢が9−12歳(オッズ比:3.86, 95%信頼区間2.86-5.20, P<0.001)
(3)中性化状態(オッズ比:2.23, 95%信頼区間1.52-3.25, P<0.001)
(4)被保険者であること(オッズ比:1.59, 95%信頼区間1.34-1.88, P<0.001)

臨床的なインパクト
:尿失禁は雌全体の3%以上が罹患するが、アイリッシュセッター、ドーベルマン、ベアデッドコリー、ラフコリー、ダルメシアンを含む高リスク犬種では15%以上が罹患する。これらの結果は、特に高リスクの犬種において臨床家が中性化や体重管理に関する臨床的な推奨を強化するための根拠を提供する。
 

Palerme, Jean-Sébastien, et al.
"Clinical Response and Side Effects Associated with Testosterone Cypionate for Urinary Incontinence in Male Dogs." 
Journal of the American Animal Hospital Association53.5 (2017): 285-290.

PubMedリンク
本文:無料公開なし

==アブストラクト===
尿道括約筋機能不全(USMI)は雌犬よりも雄犬ではめったに報告されていない。雄のUSMIをコントロールするための内科療法の有効性を評価した報告はわずかであり、ほとんど成功していない。

この症例シリーズで、我々はUSMIの雄犬8頭にシピオン酸テストステロンを中央値1.5mg/kg、筋肉内注射、4週間毎で投与し、効果を報告する。反応性は医療記録の再調査と飼い主への電話での質問によって評価した。飼い主の評価によれば、8頭中3頭(38%)で良好〜最良の反応が報告され、8頭中1頭(12%)でわずかな反応が報告され、8頭中4頭(50%)で反応に乏しかったと報告された。有害事象は報告されず、2症例で治療を継続する利益は十分だと判断された。

この症例シリーズで報告された結果は、雄犬のUSMIに対してシピオン酸テストステロンは有効で安全な治療オプションになるかもしれないことが示唆された。 


==訳者コメント===
シピオン酸テストステロンは日本国内で流通していない薬のようです。

シピオン酸テストステロン(KEGG DRUGへリンク)
 

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