ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

タグ:CT

Lafuma, Francois, et al.
"Computed tomography may be helpful in discriminating grass awn foreign body rhinitis from non‐foreign body rhinitis in dogs." 
Veterinary Radiology & Ultrasound (2021).


PubMedリンク PMID:33987917
本文:無料公開なし

タイトル
:犬の草芒異物性鼻炎を非異物性鼻炎から識別する際にCTは有用かもしれない

==アブストラクト===
草の芒の異物は犬の鼻炎の一般的な原因である。これらの異物の早期の検出と完全な除去が、長期の合併症のリスクを最小限にするために重要である。この回顧的記述的横断研究の目的は、草芒異物性鼻炎の犬と非異物性鼻炎の犬を識別可能なCT所見があるかどうかを調べることである。

非異物性鼻炎(25頭)と鼻腔内の草芒異物(22頭)と確定診断された犬(47頭)のCT検査をレビューした。異物グループでは、22頭中1頭(55)で草の種がCT画像で直接視覚化された。局所的な融解が草芒異物の尊大とより強く関連し(p=0.12、LR=3.0)、広範囲の融解(鼻腔の1/3以上および/または両側性を含む)は非異物性鼻炎と関連しているようだった(p=0.046、LR=2.0)。上顎陥凹の充填は広範囲の融解と同様に、非異物性鼻炎と関連しているようだった(p=0.046、LR=2.0)。

調査結果は、草の芒が直接視覚化できない場合でも、これらのCT特性をもつ犬の鑑別診断として草芒異物性鼻炎を優先することを支持する。

Zuercher, Melonie, Federico Vilaplana Grosso, and Amandine Lejeune.
"Comparison of the clinical, ultrasound, and CT findings in 13 dogs with gastric neoplasia." 
Veterinary Radiology & Ultrasound (2021).


PubMedリンク PMID:33987919
本文:無料公開なし

タイトル:胃の腫瘍のある犬の臨床、超音波、およびCTの所見の比較

==アブストラクト===
犬の胃の腫瘍の診断は困難であり、しばしば超音波検査または内視鏡検査で腫瘤が特定されたうえでの生検によって得られる。ヒトの医療では、CTや内視鏡といった機器が
胃の腫瘍の診断とステージングにおけるケアの標準となっている。獣医療ではガスによる人為的拡張を用いた犬の胃の腫瘍のCT所見を述べた研究がひとつあるが、胃の腫瘍の診断とステージングにおいて超音波検査とCT検査の有用性を直接比較した研究はない。

この回顧的な記述研究では、13頭の犬の超音波画像とCT画像を評価した。診断された胃の腫瘍には、平滑筋腫(n=4)、腺癌(n=3)、平滑筋肉腫(n=3)、消化管間質腫瘍(GIST、n=2)、およびリンパ腫(n=1)が含まれた。CTでは胃の腫瘍の92%を同定することに成功し、超音波検査では69%のみであった。外科、内視鏡、および剖検での所見をもとにすると、超音波検査に比べて、CT検査のほうがリンパ節腫大の位置をより多く同定し、胃の腫瘍の位置をより正確に同定した。異なる腫瘍タイプ間で、超音波検査とCT検査の多くの特徴が重複した。リンパ腫は、CT 検査では他の胃の腫瘍に比べてCT値の平均が低く、超音波検査では胃壁の層が完全に失われていない唯一の腫瘍であった。予想通り、胃腺癌では領域リンパ節の腫大と胃壁の肥厚がみられた。

犬の胃腫瘍の特徴を調べステージングを行い、外科適応を選択するための支援としての補助診断検査としてCTの所見は役にたった。

Schwarz, Tobias, et al. "Four‐dimensional CT excretory urography is an accurate technique for diagnosis of canine ureteral ectopia." Veterinary Radiology & Ultrasound (2020).

PubMedリンク PMID:33350535
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:犬の異所性尿管の診断において4次元CTの排泄性尿路造影は正確な手法である

==アブストラクト===
CT排泄造影は、犬の異所性尿管の検査でよく用いられる。最新の技術により、検出器のコリメーションを超える距離で次回分解CTイメージング(4次元CT排泄性尿路造影)が可能となる。この前向き観察診断性能研究の目的は、下部尿路聴講のある犬におけるCT排泄性尿路造影と4DCT排泄性尿路造影の診断性能を評価し、骨盤の角度を評価し、異所性尿管の診断のための尿管膀胱接合部の角度を決定することである。

合計で36頭の犬(正常な尿管42、壁内異所性尿管27、壁外異所性尿管3)が、ランダムな骨盤の位置でCT排泄性尿路造影および4DCT排泄性尿路造影を行った。ランダム化されたCT排泄性尿路造影と4DCT排泄性尿路造影は、2人の観察者によって尿管乳頭の位置と壁についての分類シェーマによって分類された。尿管の位置と診断に対する観察者間の一致、感度、および特異度を算出した。

CT排泄性尿路造影は、左側尿管に対する中程度の観察者間の一致を示し、右尿管に対して完全な一致を示し、一方で4DCT排泄性尿路造影では両側の尿管でほぼ完全な観察者間の一致を示した。
確定診断と比較した時に、CT排泄性尿路造影は、感度73%、特異度90.2%であったが、4DCT排泄性尿路造影は感度97%、特異度94.6%であった。鈍角の尿管膀胱接合部の角度は、正常な尿管よりも壁内の異所性尿管でよく観察され、それは異所性尿管の診断の信頼性の向上と有意に関連した。尿管開口部の位置を決定するための骨盤の角度のためのくさびの使用は、診断精度を上昇させなかった。

4DCT排泄性尿路造影は、犬の尿失禁の原因としての異所性尿管を調べるために正確で信頼性の高い診断手法であり、通常のCT排泄性尿路造影よりもわずかに優れている。

Krainer, Dorothee, and Gilles Dupré.
"Influence of computed tomographic dimensions of the nasopharynx on middle ear effusion and inflammation in pugs and French bulldogs with brachycephalic airway syndrome." 
Veterinary Surgery (2021).


PubMedリンク PMID:33595152
本文:無料公開なし

タイトル:パグとフレンチ・ブルドッグにおけるCTの
鼻咽頭の大きさが中耳滲出液に与える影響

==アブストラクト===
目的:パグとフレンチ・ブルドッグにおける中耳の異常の有病率を比較し、鼻咽頭の大きさが中耳滲出液に与える影響を調べること。

研究デザイン:回顧的研究。

動物:短頭種気道症候群があり、耳疾患の病歴のなり、パグ30頭とフレンチ・ブルドッグ30 頭

方法:CT検査をレビューし、中耳滲出液、粘膜の造影増強効果、骨炎の所見、鼓室壁の肥厚について調べた。軟口蓋の厚みと、耳管開口部レベルでの鼻咽頭の横断面積を測定し、個々の頭蓋骨指数によって標準化したうえで、品種間の統計的比較を行った。中耳の異常と鼻咽頭の大きさの統計的依存性は、スピアマンの順位相関検定を用いて評価した。

結果:中耳滲出液はフレンチ・ブルドッグ17/30頭(56.7%)とパグ5/30頭(16.7%)でみられた。鼓室包の造影増強効果はフレンチ・ブルドッグの耳25/60(41.6%)、パグの耳3/60(5.0%)でみられた。フレンチ・ブルドッグに比べて、パグでは気道の横断面(Δ=0.31cm2、p<0.001)と軟口蓋の厚さ(Δ=0.44cm、p<0.0001)が小さかった。軟口蓋の厚さと鼻咽頭の大きさは、鼓室包滲出液の存在(r=0.324、r=0.198)または造影増強の存在(r=0.270、0.199)と弱い相関を示した。

結論:中耳の滲出液と炎症は、パグよりもフレンチ・ブルドッグでより一般的であり、そえれは鼻咽頭の大きさとは関連していないようだった。

臨床的意義
:短頭種気道症候群のあるフレンチ・ブルドッグは、中耳の滲出液と炎症の素因があるようだ。

Baudin Tréhiou, Clément, et al.
"CT is helpful for the detection and presurgical planning of lung perforation in dogs with spontaneous pneumothorax induced by grass awn migration: 22 cases." 
Veterinary Radiology & Ultrasound 61.2 (2020): 157-166.


PubMedリンク PMID:
31829482
本文:無料公開なし

タイトル
:草のノギによって起こった自然発性の気胸がある犬において、肺穿孔部位の検出と術前計画にCTが役に立つ

==アブストラクト===
草のノギによって起こる自然発生性気胸は、自然発生性気胸の5%を占め、胸部の草のノギの症例の22.5%を占める。自然発生性気胸のCT検査に焦点をあてた過去の研究は少ない。この回顧的症例シリーズの目的は、この病態のCTの特徴を述べ、CTの特徴が穿孔部位の特定に役に立つ可能性があるかどうかを調べることである。

自然発生性気胸があり、CT検査、胸部外科を行い、草のノギによる肺の穿孔が確定した犬を組み入れた。CT検査をレビューし、手術所見と比較した。22頭中19頭(90.0%)で、気胸またはその再発は穿孔部位と同側であった。穿孔部位は22頭中21頭(95.5%)で特定され、22頭中20頭(90.9%)が後葉であった。左右と罹患した肺については、22頭中21頭(95.5%)で手術所見と一致した。
22頭中21頭(95.5%)で穿孔部位は広範囲の胸膜肥厚にある軟部組織のCT値の焦点としいう特徴があった。隣接する内臓胸膜に欠損は22頭中13頭(59.1%)でみられた。草のノギは22頭中11頭(50%)でみられた。

この集団内では、気胸の分布と草のノギの位置は、一貫して穿孔部位を示していた。手術所見との比較により、気胸の病因の特定と術前計画のためにCTが役に立つ可能性があることを示唆された。

Hughes, Jonathan R., Victoria S. Johnson, and Marie‐Aude Genain.
"CT characteristics of primary splenic torsion in eight dogs." 
Veterinary Radiology & Ultrasound (2020).

PubMedリンク PMID:32077164
本文:無料公開なし

タイトル:原発性脾捻転のCTの特徴;犬8頭

==アブストラクト=== 
脾捻転は、胃脾靭帯と横隔靭帯の周りを脾臓が回転することで静脈の排水と動脈の供給の閉塞が起こることを特徴とする、生命を脅かす可能性もあるまれな病態である。この回顧的研究は、多国籍の遠隔放射線データベースへの提出を利用して、2013年から2018年の間に外科的に脾捻転と確定された犬のCTの特徴を述べ たものだ。8頭の犬が外科的に脾捻転と確定された。8頭中7頭で、うっ血、出血、および壊死が組織学的に確認され、1頭では骨髄脂肪腫の浸潤が同時にみられた。CTの特徴には、拡大し(8/8)、丸みを帯びた(7/8)、折りたたまれたC型の脾臓(8/8)があり、造影前後の実質の減衰値の中央値の差は+1.15HU(Hnounsfield units)であった。その他の一般的な特徴として、造影前と造影後の均一な実質(6/8)、
主観的および客観的な血管と実質の造影増強の欠如(6/8)、腹水(6/8)がみられた。多くの症例でみられたホイールサイン”(7/8)は、造影前の画像における中心部の強い過減衰(5/7)とともにみられ、これらは獣医学文献ではこれまで記述されてこなかった。胃の位置はすべての症例で正常だった。確定した捻転でより多様なCTの特徴は、部分的な捻転の疑いと骨髄脂肪腫の浸潤に起因していた。全体的に、手術で確定された原発性脾捻転はCTで一貫した特徴を示した。 

Palladino, S., et al.
"Utility of computed tomography versus abdominal ultrasound examination to identify iliosacral lymphadenomegaly in dogs with apocrine gland adenocarcinoma of the anal sac."
 
Journal of veterinary internal medicine 30.6 (2016): 1858-1863.

PubMedリンク PMID:27774696
本文:無料公開あり(全文)

タイトル:肛門嚢アポクリン腺癌の犬における腸骨仙骨リンパ節腫大を調べるためのコンピュータ断層撮影と腹部超音波検査の有用性の比較

==アブストラクト===
背景:肛門嚢アポクリン腺癌は腸骨仙骨リンパ節への高いリンパ節転移率と関連し、それは治療や予後に影響を与える可能性がある。罹患した患者で、腹部超音波検査よりもMRI検査のほうがより感度が高いことが最近示された。

目的:肛門嚢アポクリン腺癌の犬における腹部超音波検査とCT検査が腸骨仙骨リンパ節の腫大を検出する割合を比較すること。 

動物:集団A;正常と推定される犬30頭。集団B;腹部超音波検査とCTを行なった肛門嚢アポクリン腺癌の犬20頭。

方法:集団Aを用いて、正常なリンパ節/大動脈(LN/AO)比の平均を、内側腸骨リンパ節、内腸骨リンパ節、仙骨リンパ節について確立させた。集団BにおけるCT画像を回顧的に再調査し、 LN/AO比がコホートAにおける特定のリンパ節の標準化された比の平均の2標準偏差を上回ったときに腫大とみなした。腹部超音波で特定されたリンパ節の分類と可視性について、CTで得られた対応する測定値と比較をした。

結果
:肛門嚢アポクリン腺癌の犬20頭中13頭で、CTによりリンパ節腫脹が確認された。これらの13頭のうち、腹部超音波検査では30.8%の犬でのみ全ての腫大したリンパ節が正確に同定されて検出され、残りの犬では誤ってリンパ節腫大を同定したか、腫大の検出に失敗した。すべての罹患したリンパ節を同定することに制限はあるが、腹部超音波検査は罹患した動物において少なくと1つの腫大したリンパ節は100%で検出した。

結論と臨床的重要性
:腹部超音波検査は、肛門嚢アポクリン腺癌の犬においてリンパ節腫大を検出するための有効なスクリーニング検査であるが、さらなる転移病変が治療プランに影響を与えるであろう場合には、いずれの患者でもCT検査を考慮すべきだ。
 

==訳者コメント===
エコー検査はだれがやるかによって随分結果が変わってくるので、こうした研究結果の解釈は難しいですね。
 

Cheney, D. M., et al.
"Ultrasonographic and CT accuracy in localising surgical‐or necropsy‐confirmed solitary hepatic masses in dogs."
 
Journal of Small Animal Practice (2019).

PubMedリンク PMID:30730060
本文:無料公開なし

タイトル:外科的もしくは剖検で確定した犬の孤立性肝臓腫瘤の位置決めにおける超音波検査とCTの正確性

==アブストラクト===
目的
:特定の肝臓区域に対する孤立性の肝臓腫瘤の位置決めにおける超音波検査とCTの感度と特異度を推定すること。

方法
:犬は超音波検査および/またはCTによって孤立性の肝臓腫瘤が診断され、画像診断の1ヶ月以内に外科または剖検によって確定された。腫瘤の位置に対する超音波検査の報告を再調査した。CTスキャンは、2人の放射線医によって再調査され、腫瘤の位置は移動位によって決定された。肝臓の区域における超音波とCTそれぞれの感度と特異度を算出した。

結果
:71頭中、14頭はCTだけで、27頭が超音波だけであり、30頭は両方であった。位置は超音波により57頭中42頭(74%)で正確に予測され、CTでは44頭中37頭(84%)で正確に予測された。超音波とCTの両方で、すべての区域における腫瘤の位置決めで高い特異度であった。感度は区域により異なり、左区域の腫瘤でもっとも高かった。

臨床的意義
:この結果は、いずれの画像診断も術前計画のために適したものであることを示唆している。肝臓腫瘤の位置の決定に役立つ可能性のあるさらなる要因を同定するのに役立てるために、前向き研究が推奨される。

 

French, John M., et al.
"Computed tomographic angiography and ultrasonography in the diagnosis and evaluation of acute pancreatitis in dogs."
 
Journal of veterinary internal medicine(2018).

PubMedリンク PMID:30548310
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:犬の急性膵炎の診断と評価におけるコンピュータ断層撮影と超音波検査

==アブストラクト===
背景
:犬の急性膵炎は過小診断される疾患である。現在の診断方法は、続発症の同定に不十分であり、予後予測能力が欠如している。コンピュータ断層撮影血管造影(CT血管造影)は、ヒトの膵炎の診断と予後予測において正確である。

目的
:超音波検査と比較した場合に、CT血管造影は膵臓の造影増強を同定することにより、1)より重度の膵炎と続発症の診断に優れており、2)患者予後の評価を提供する、だろう。

動物
:急性膵炎の疑いのある家庭犬26頭。

方法
入院時に行った超音波検査とCT造影検査を比較し、膵臓の変化と続発症の検出について調べた。CT血管造影の所見を、急性膵炎の犬の予後指標と比較した。特異的犬膵リパーゼ(cPL)の検体を集め、CT血管造影の所見と比較した。

結果
:26頭中10頭は膵臓の不均一な造影増強を示した。超音波検査と比較して、CT血管造影は門脈血栓の検出に優れていた(P=0.003)。不均一な造影増強のある患者では、入院期間がより長く(p=0.01)、6日以上の入院期間を含み(p=0.02)、より再発しやすく、門脈血栓があることが多かった(p=0.002)。不均一な造影増強のある患者ではspec cPLが上昇していた(p=0.006)。
 
結論と臨床的意義
:超音波検査と比較した場合に、CT血管造影はより重度な膵炎のある犬、門脈血栓のある犬、および長期入院を予測し再発リスクを増加させる因子、の同定に優れていた。不均一な造影増強と門脈血栓の存在は、急性膵炎の患者の治療を変更する可能性がある。
 

Lamb, C. R., R. Steel, and V. J. Lipscomb.
"Determining the anatomical origin of canine hepatic masses by CT." 
Journal of Small Animal Practice 59.12 (2018): 752-757.

PubMedリンク PMID:30175457
本文:無料公開なし

タイトル:CTによる犬の肝臓腫瘍の解剖学的起源の決定

==アブストラクト===
目的
:犬の肝臓腫瘍の区域または葉の起源を決定するために用いることのできるCTの特徴を調べること。

方法
:外科的に切除した57の肝臓腫瘤の術前の造影後CT画像について再調査し、大きさ、正中線・胆嚢・門脈との相対的な位置、最も近くにある認識可能な肝葉静脈または門脈、横隔膜との接触点、近接する臓器の変位について調べた。

結果
:最も一般的な組織学的診断は、肝細胞癌(n=26;46%)と肝細胞腺腫(n=10;18%)であった。外科的評価に基づくと、腫瘤は肝左区域に30例(53%)、中央区域に7例(12%)、右区域に20例(35%)であった。正中線から左にある腫瘤はすべて左区域のものであったが、正中線から右にある腫瘤の18/30(60%)だけが右区域のものでった。胆嚢よりも左にある腫瘤の多く(26/31;84%) は左区域のものであり、胆嚢より右にある腫瘤の84%(16/19)は右区域のものであった。右区域の腫瘤の半数(10/20;50%)は門脈の内側、外側、または背側であったが、その他のすべての肝臓腫瘍は門脈の腹側にあった。腫瘤に近接する肝葉静脈または門脈枝は53例(93%)で認められ、この特徴は外科的評価による罹患区域では53例(93%)と相関し、罹患葉では32例(56%)と相関した。

臨床的意義
:肝臓腫瘤のCTの特徴を組み合わせることは、区域または葉の起源を特定するための正確な方法となるようだ。
 

Aarsvold, Stacie, et al.
"Computed tomographic findings in 57 cats with primary pulmonary neoplasia."
 
Veterinary Radiology & Ultrasound 56.3 (2015): 272-277.

PubMedリンク PMID:25605501
本文:無料公開なし

タイトル
:原発性肺腫瘍のある57頭の猫におけるコンピュータ断層撮影所見

==アブストラクト===
猫の原発性肺腫瘍は比較的まれであり、一般的な予後は不良である。この57頭の原発性肺腫瘍のある猫の多施設回顧的研究においては、最も一般的な主徴候は食欲低下(39% )と咳(37%)であった。
 原発性肺腫瘍は9%の猫で偶発的な所見であった。コンピュータ断層撮影(CT)画像では、原発性肺腫瘍は55頭(96%)の猫で肺腫瘤としてみられ、2頭(4%)では明瞭な腫瘤のないびまん性の病変としてみられた。多くの肺腫瘍は後葉にみられ、28(49%)が右後葉、17(30%)が左後葉であった。肺腫瘍に関連したCTの特徴には、腫瘤の臓側胸膜への接触(96%)、不整な辺縁(83%)、明瞭な境界(79%)、気管支の圧迫(74%)、ガスを含む空洞(63%)、ミネラル減衰の病巣(56%)、および気管支浸潤(19%)、などがあった。肺腫瘤の最大径の平均(範囲)は、3.5cm(1.1-11.5cm)であった。転移と考えることのできる他の肺病変が、53%の猫で観察された。胸水は30%の猫でみられ、肺血栓が12%の猫でみられた。組織学的な診断では、腺癌が47(82%)が、気管支由来の腫瘍6(11%)、扁平上皮癌が1(2%)であった。この症例シリーズでは、腫瘍のタイプとして腺癌が優勢であったが、あまり一般的でない腫瘍の多くの特徴を有していた。過去の猫の肺腫瘍に関するレントゲンの研究と比較して、肺内転移のを疑う割合が高かった。

Perlini, Michael, Andrew Bugbee, and Scott Secrest.
"Computed tomographic appearance of abdominal lymph nodes in healthy cats." 
Journal of veterinary internal medicine (2018).

PubMedリンク PMID:29572939
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル:健康な猫における腹腔内リンパ節のコンピュータ断層撮影所見

==アブストラクト===
背景
:コンピュータ断層撮影(CT)は獣医療において一般的に用いられており、疾患の特定と腫瘍のステージングにおいて重要な役割を担っている。腹腔内のリンパ節の同定は、臨床的、治療的、および予後における意思決定にとって重要である。健康な猫における腹腔内リンパ節のCT所見について述べた研究は公表されていない。

仮説/目的
:すべての腹腔内リンパ節がCTで同定され、その多くのリンパ節が細長く均一の増強されるだろう。

動物
:臨床的または生化学的に疾患のない健康な猫16頭。

方法
:健康な猫の鎮静下の造影前および造影後のCT画像を使用し、腹腔内リンパ節の存在を同定し、特徴を描出した。そして、これらの評価を患者の特徴と比較し、可能性のある相関を同定した。

結果
:腹腔内リンパ節はCTで容易に同定され、後腸間膜、結腸、肝臓、鼠径、および膵十二指腸リンパ節が16/16頭で同定された。リンパ節のサイズと形状はリンパ節ごとに異なり、ほとんどすべてのリンパ節(515/525)は均一な造影増強であった。年齢と腹腔内リンパ節の長さ(p=0.0166)と幅(p=0.0387)の間には有意な負の相関がみられ、年齢と仙骨リンパ節の数についても同様であった(p=0.0493)。リンパ節内の死亡が18/525のリンパ節で存在した。

結論と臨床的重要性
:CTは、猫の腹腔内リンパ節を容易に同定し特徴付けることができた。この研究は16頭の健康な猫の腹腔内リンパ節のCTの特徴について主観的および客観的な情報を提供し、若い猫では腹腔内リンパ節がより大きく、仙骨リンパ節の数もより多かった。 
 

Secrest, S., A. Sharma, and A. Bugbee.
"Computed Tomographic Angiography of the Pancreas in Cats with Chronic Diabetes Mellitus Compared to Normal Cats." 
Journal of veterinary internal medicine (2018).

PubMedリンク PMID:29498098
本文:無料公開あり(全文

タイトル:正常猫と比較した慢性糖尿病の根気における膵臓のコンピュータ断層血管造影

==アブストラクト===
背景:糖尿病は猫の一般的な内分泌疾患である。診断時に疾患経過をよく予測することのできる診断検査もしくは患者特徴は知られておらず、コンピュータ断層(CT)血管造影を使用するヒトとは異なる。糖尿病の猫における膵臓のCT血管造影の所見に関して公表されたデータはなく、そのためどのようなCT血管造影の変数を膵臓内分泌機能との関連として評価していくべきか不明である。

仮説/目的:膵臓の減衰、体積、大きさにおける有意な差が、CT血管造影において正常猫と慢性糖尿の猫に間に確認されるだろう。

動物:健康な対照猫10頭と、自然発生の糖尿病が12ヶ月以上存在する猫15頭。

方法:CT血管造影における膵臓の減衰、増強パターン、大きさ、体積、膵臓体積:体重比、膵動脈:門脈相非、動脈増強までの時間、門脈増強ピークまでの時間を、鎮静下の健康な対照猫と慢性糖尿病の猫の間で比較をする、前向き横断研究。

結果:慢性糖尿病の猫における膵臓は、正常猫に比べて、有意に大きく、体積が大きく、膵臓体積:体重比が高く、CT血管造影で門脈増強ピーク時間が短かった。

結論と臨床的重要性
:門脈増強のピーク時間、膵臓サイズ、膵臓体積、膵臓体積:体重比は、CT血管造影で健康な鎮静下の猫と慢性糖尿病の猫とを鑑別するために利用できる可能性がある。これらの変数について、内分泌機能との関連性を特定するためのさらなる調査を必要とする。

 

Reetz, Jennifer A., et al.
"Sensitivity, positive predictive value, and interobserver variability of computed tomography in the diagnosis of bullae associated with spontaneous pneumothorax in dogs: 19 cases (2003–2012)." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 243.2 (2013): 244-251.

PubMedリンク PMID:23822082
本文:無料公開なし

タイトル:犬の自然気胸に関連したブラの診断におけるコンピュータ断層撮影の感度、陽性的中率、および観察者間変動;19症例(2003-2012年)

==アブストラクト===
目的:犬の自然気胸に関連したブラの検出におけるCTの感度、陽性的中率、観察者間変動率について調べること。

デザイン:回顧的症例シリーズ。

動物:ブラの破裂によって生じた自然気胸の犬19頭

方法:ブラの破裂による自然気胸を手術(胸骨正中切開)もしくは剖検によって確定した犬を組み入れた。患者のシグナルメント、CTプロトコール、ブラの部位と大きさと数を医療記録から収集した。CT画像を3人の放射線専門医が再評価し、ブラの部位と大きさと数と、気胸の主観的な重症度について報告した。

結果 :3人の読影者によるブラ検出の感度はそれぞれ42.3%、57.7%、577.7%であり、陽性的中率は52.4%、14.2%、8.4%であり、後者2人は偽陽性の診断割合が高かった。ブラの正しい特定に関する観察者間一致率は良好であった(κ=0.640)。ブラのサイズの増大は1人の読影者で正しいCT診断と有意に関連したが、他の2人では関連しなかった。正しい診断と、スライスの厚さ、換気プロトコル、または気胸の程度とは関連しなかった。

結論と臨床的意義
:ブラの検出に関するCTの感度および陽性的中率は低かった。この結果は、ブラの破裂のよる自然気胸の犬において、病変が見逃されたり、間違って診断されたりする可能性があるため、CTが術前診断として効果的ではない可能性を示唆している。ブラの大きさはCTにおける視認性に影響するかもしれない。
 

Au, Jennifer J., et al.
"Use of computed tomography for evaluation of lung lesions associated with spontaneous pneumothorax in dogs: 12 cases (1999–2002)." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 228.5 (2006): 733-737.

PubMedリンク PMID:16506938
本文:無料公開なし

タイトル:犬の自然気胸に関連した肺病変の評価のためのコンピュータ断層撮影の使用;12症例(1999-2002年)

==アブストラクト===
目的:犬の自然気胸に関連したブレブおよびブラの検出において、肺のコンピュータ断層撮影(CT)の使用を従来のX線検査と比較して評価すること。

デザイン:回顧的症例シリーズ。

動物:自然気胸の犬12頭。

方法:医療記録を再調査し、シグナルメント、体重、最初の飼い主の訴え、検査所見、X線検査所見、 CT所見、内科および外科治療、組織学的所見、合併症、入院期間、および最終的な転帰についての情報を収集した。

結果:X線検査は気胸を同定するのに非常に優れていた(感度100%)が、原因となる疾患(ブラもしくはブレブ)の同定には不十分であり、それらがX線検査で同定されたのは12頭中2頭だけであった。CTは12頭中9頭で、ブラもしくはブレブの同定を可能にした。12頭中10頭は外科的に治療され、17の罹患肺葉が同定された。17の罹患肺葉中4つがX線検査で同定されており、13がCTで同定されていたが、1葉は右前葉を右後葉と誤って同定されていた。

結論と臨床的意義
:この結果は自然気胸の原因の同定に、X線検査よりもCTの方が優れていることを示唆した。
 

==訳者コメント===
 結果に“
X線検査は気胸を同定するのに非常に優れていた(感度100%)”とありますが、おそらくこの研究で検査対象は「臨床症状→レントゲンで気胸→CT±手術」となった動物が組み入れられているものと思われます。
そのため、レントゲンで検出されないような気胸の症例は含まれていないものと考えられます。
そういった母集団での結果をもとにして、「気胸の検出にレントゲンは感度100%」を一般化してしまうとレントゲンの検出力と著しく過大評価してしまうので、注意が必要と思います。
 

Fukushima, Kenjiro, et al.
"Characterization of triple-phase computed tomography in dogs with pancreatic insulinoma."
 
Journal of Veterinary Medical Science 77.12 (2015): 1549-1553.

PubMedリンク PMID:26118410
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル:膵臓インスリノーマのある犬における3相コンピュータ断層撮影の特徴

==アブストラクト===
犬の膵臓インスリノーマの3相コンピュータ断層撮影(CT)に関して利用できる情報はほとんどない。少ない症例数の症例報告では、動脈相における高減衰が、インスリノーマの犬における多相CTにおける一般的な所見であった。我々の目的は、3相CTにおけるインスリノーマの犬の特徴的所見を明らかにすることである。

インスリノーマがあり3相CT撮影を行った9頭の犬をこの研究に組み入れた。動脈相での減衰パターンは、4頭で低減衰、2頭で高減衰を示していた。残りの3症例では、膵臓相で1症例が低減衰、1症例が高減衰を示し、1症例は後期相で高減衰を示した。全体では、少なくとも1相において、5症例が低減衰、4症例が高減衰を示した。増強パターンは7症例で均一であり、2症例で不均一であった。腫瘍マージンは5症例で明瞭であり、4症例で不明瞭であった。 被膜形成は5症例でみられ、4症例ではなかった。

結論として、 インスリノーマの犬の3相CT撮影において、少なくとも1相で低減衰は高減衰と同じくらい一般的であったことに注意することは重要である。さらに、腫瘤病変は、動脈相のみならず膵臓相と後期相においても最もはっきりしていた症例もいた。それゆえ、3相CTを行い、犬の膵臓インスリノーマの検出のために様々な所見に注意することが重要である。

 

Talbott, Jessica L., et al.
"Retrospective evaluation of whole body computed tomography for tumor staging in dogs with primary appendicular osteosarcoma." 
Veterinary Surgery 46.1 (2017): 75-80.

PubMedリンク PMID:27906470
本文:無料公開なし

タイトル
:四肢の原発性骨肉腫のある犬の腫瘍ステージングに対する全身CT検査の回顧的評価

==アブストラクト===
目的
;犬の四肢骨肉腫のステージングに対する全身CTを評価すること。

研究デザイン
:回顧的症例シリーズ。

動物
:四肢の骨肉腫と診断された家庭飼育犬(n=39)。

方法
:2008年8月から2014年7月までに四肢の骨肉腫と診断された家庭飼育犬の医療記録を再調査した。四肢の骨肉腫と確定心出されており、全身CTを用いてステージングが行われた犬を組み入れた。シグナルメント、体重、原発の腫瘍部位、血清ALP活性、3方向の胸部レントゲンの所見、細胞学的もしくは組織学的な結果、およびCT所見を含めたデータを収集した。

結果
:39頭の犬(年齢中央値 8.5歳;体重中央値 37kg)が骨肉腫をもっており、遠位橈骨(n=17)、近位上腕骨(n=11)、および他の部位であった。血清ALP活性は14頭の犬で上昇していた。全身CTを行なったいずれの犬でも、骨転移は検出されなかった。認定放射線専門医によるCTをもと決定した肺転移は、39頭中2頭(5%)で認められた。さらに2頭(2/39、5%)で、CTで軟部組織の腫瘤があり、併発する非転移性の悪性腫瘍と考えられた。

結論
:骨転移は全身CTを行なったいずれの犬にも検出されなかった。胸部および腹部CTでは、四肢の骨肉腫のある犬における肺病年と併発腫瘍が検出された。CTは、播種性の悪性病変に対するその他のスクリーニング検査の有効な補助となる可能性がある。

Oblak, M. L., et al.
"Comparison of concurrent imaging modalities for staging of dogs with appendicular primary bone tumours." 
Veterinary and comparative oncology 13.1 (2015): 28-39.

PubMedリンク PMID:23421618
本文:googlescholar経由で入手可能(全文) 

タイトル:四肢の骨腫瘍のある犬のステージングのための現行の画像診断法の比較

==アブストラクト===
この研究は、原発性の四肢の骨腫瘍の犬における転移の評価のための全身CTの使用を、長骨のレントゲン調査、骨シンチグラフィ、および胸部レントゲンと比較して評価することである。

15頭の犬がこの呼び研究に含まれた。骨の転移の検出には構築された参照基準を用い、陰性の胸部レントゲンをCTと比較した。確定的な病変は骨シンチグラフィでのみ同定した。すべての病変が構築された参照基準を満たしたわけではなかった。レントゲンもしくはCTの調査では確定病変は同定されなかった。レントゲンでは見えなかった病変が、胸部CTで同定された。4症例中3例で不明瞭なすりガラス状の病変が進行した。全身CTは、骨シンチグラフィの代替として適切ではなかったが、補助的な診断法としてとして有用であった。レントゲンではみえないがCTでみえる肺の病変、およびすりガラス状の肺病変は、転移の疑いと考えるべきである。
 

BAR‐AM, Y. O. A. V., et al.
"The diagnostic yield of conventional radiographs and computed tomography in dogs and cats with maxillofacial trauma." 
Veterinary surgery 37.3 (2008): 294-299.

PubMedリンク PMID:18394078
本文:無料公開なし

タイトル: 顎顔面の外傷のある犬と猫における従来のX線検査とコンピュータ断層撮影の診断率

==アブストラクト===
目的
:顎顔面の外傷のある犬と猫の頭蓋骨について従来のX線検査とコンピュータ断層撮影(CT)画像の診断率を比較すること。

研究デザイン
:前向き研究

動物
:顎顔面外傷のある犬(n=9) と猫(n=15)

方法
:各動物でCTスキャンと頭蓋のX線検査(4つの標準的投射)を、事前に定義した26の臨床に関連する解剖学的特徴(パート1)および事前に決定した27の潜在的な外傷(パート2)を同定する能力について半定量的スコアリングシステムを用いて評価した。パート1では、それぞれの解剖学的特徴の平均スコアを、各方向と撮影装置ごとに記録した。パート2
では、 それぞれの事前決定していた外傷が確認された症例の頻度について評価した。

結果

パート1:X線検査においては、26の解剖学的特徴のうち17は同定が容易であったが、6はどの方向でも同定が非常に困難か不可能であった。すべての構造は、CTで容易もしくは非常に容易に同定できると判断された。歯の咬合と下顎の完全症の評価において、CTのスコアはX線検査よりも低かった。
パート2:CTスキャンは、従来のX線検査よりも、犬で1.6倍、猫で2.0倍多く顎顔面の損傷を明らかにした。各動物あたり顎顔面外傷の平均数は、X線検査とCTスキャンで、犬は4.8と7.6、猫jは3.8と7.7であった。

結論
:犬と猫において解剖学的構造と外傷性障害を特定するために、CTは従来の頭蓋骨のX線検査よりも優れている。頭蓋のX線検査は下顎骨体と歯の咬合を可視化するのに有用である。

臨床的関連
:CTは、犬と猫の顎顔面外傷の正確な評価、診断および治療計画を可能にする。 

Parry, A. T., and Robert N. White.
"Post‐temporary ligation intraoperative mesenteric portovenography: comparison with CT angiography for investigation of portosystemic shunts." 
Journal of Small Animal Practice 59.2 (2018): 106-111.

PubMedリンク PMID:29171668
本文:無料公開なし

タイトル: 一時結紮後の術中門脈造影:門脈体循環シャントの検索のためのCT血管造影との比較

==アブストラクト===
目的:単一の肝外門脈体循環シャントの患者における肝内門脈血管系の特徴付けのための、術前のCT血管造影と術中の一時完全結紮後の腸間膜門脈血管造影の比較。

方法:過去に収集された14頭の犬と5頭の猫の画像の記述的分析。

結果: 右胃静脈を含むシャントを除いて、肝内の樹枝状分岐は2つの方法で同様のようであった。門脈血管造影はコントラスト強調を改善し、肝内門脈血管系をわずかに拡張させた。

臨床的重要性
:CT血管造影は、肝内門脈血管系の情報を提供する術中の一時的な完全結紮後の腸間膜門脈造影に置き換わるものとはならなかった。それは実用的で動的な手技であり、術中に即座に利用可能な情報を提供する。さらに、術中の一時完全結紮後の腸間膜門脈血管造影は単一のシャント血管の確認と結紮を確認できる。
 

Grimes, Janet A., et al.
"Indirect computed tomography lymphangiography with aqueous contrast for evaluation of sentinel lymph nodes in dogs with tumors of the head." 
Veterinary Radiology & Ultrasound (2017).

PubMedリンク
本文:無料公開なし

タイトル
:頭部腫瘍のある犬におけるセンチネルリンパ節の評価のための水性造影剤を用いたCT間接リンパ管造影法

==アブストラクト===
 センチネルリンパ節の評価は、ヒト医療では腫瘍が流入する最初のリンパ節を評価するために広く利用されている。センチネルリンパ節生検は、センチネルリンパ節への転移が陰性であり、それによって患者の罹患率が低下する場合に、広範囲なリンパ節郭清を回避することを可能にする。領域リンパ節は常にセンチネルリンパ節というわけではなく、そのためセンチネルリンパ節の特定と採材がより正確なステージングを可能にし、それは腫瘍の犬における治療や予後判定において重要である。

 この前向きの予備研究の目的は水性造影剤を用いたCT間接リンパ管造影が頭部の腫瘍を持つ犬においてセンチネルリンパ節を特定できるかどうかを決定することである。

 18頭の犬にCTリンパ管造影を行った。 16頭(89%)の犬でセンチネルリンパ節は造影剤注入から3分以内でうまく同定された。気管チューブの結紮によるリンパ管の圧迫は2頭(11%)の犬でセンチネルリンパ節の同定を遅延もしくは妨害した。

 水性造影剤を用いたCT間接リンパ管造影は頭部に腫瘤を持つ犬で迅速でうまくセンチネルリンパ節を同定するために利用できる。


==訳者コメント===
注)センチネルリンパ節(SN):腫瘍原発巣から直接リンパ流を受けるリンパ節のこと。最初のリンパ節転移が発生する場所と考えられている。センチネルリンパ節に転移はなければその他のリンパ節転移は生じていないと判断することができると考えられている。
慶應大学医学部/一般・消化器外科 上部消化管班 HPから一部引用・改変

  • ヒトではいくつかの腫瘍でセンチネルリンパ節の理論の有用性が確認されているようですが、動物では私の知る限りアウトカムの関連するような情報はまだないように思います(しっかり調べたわけではありませんが)。
  • 今回の研究からセンチネルリンパ節の同定はできそうですが、それがどのように治療や予後に反映されるかはさらなる調査が必要ではないかと思います。
  • 特に犬の頭部腫瘍のリンパ節転移はイレギュラーなことも多いようなので(頭部腫瘍のリンパ節転移)、そういった情報も踏まえて考える必要があるのではないかと思います。
 

Watton, Thom C., Ana Lara‐Garcia, and Christopher R. Lamb.
"Can malignant and inflammatory pleural effusions in dogs be distinguished using computed tomography?." 
Veterinary Radiology & Ultrasound 58.5 (2017): 535-541.

PubMedリンク
本文:無料公開なし

タイトル
:犬の悪性と炎症性の胸水をCTで鑑別できるか?

==アブストラクト===
 コンピューター断層撮影(CT)は、悪性もしくは炎症性の胸水を疑われる
ヒトの患者を調べるために使用される主な画像診断法であるが、犬におけるこの検査の臨床的使用についての情報は欠けている。胸膜炎から胸膜の悪性腫瘍を鑑別するためにCT所見が利用できるかを同定するために、胸水貯留があり、造影前・造影後のCT画像があり、細胞学的または組織学的による悪性もしくは炎症性の胸水の診断がある犬をもとに回顧的な症例対照研究を行った。
 
 20頭の犬が悪性の胸水(中皮腫13頭、上皮生悪性腫瘍6頭、リンパ腫1頭)であり、32頭が胸膜炎(膿胸18頭、乳び胸14頭)であった。胸膜炎の犬と比較すると、悪性胸水は有意に高齢であり(中央値 8.5歳齢vs4.9歳齢、p=0.001)、より頻繁にCTで胸膜の肥厚の所見があり(65%vs34%、p=0.05)、壁側胸膜のみが肥厚する傾向があり(45%vs.3%、p=0.002)、より顕著な肥厚があった(中央値 3mm vs.0mm、p=0.03)。CTでの胸壁浸潤の所見は悪性胸水の犬のみでみられた(p=0.05)。胸水の量、分布、希釈、胸膜の造影増強の程度、パンヌスの量、縦隔リンパ節腫脹については有意な差はなかった。

 悪性胸水と胸膜炎の犬の所見はかなり多くの重複があるが、CTで壁側胸膜のみの顕著な肥厚と胸壁への浸潤所見がある場合には胸膜の悪性腫瘍の診断が支持され、さらなる診断検査の優先順位を考える助けになる可能性がある。

Lux, Cassie N., et al.
"PROSPECTIVE COMPARISON OF TUMOR STAGING USING COMPUTED TOMOGRAPHY VERSUS MAGNETIC RESONANCE IMAGING FINDINGS IN DOGS WITH NASAL NEOPLASIA: A PILOT STUDY."
 
Veterinary Radiology & Ultrasound 58.3 (2017): 315-325.

PubMedリンク
本文:無料公開なし

==アブストラクト===
 犬の鼻の腫瘍の拡がりの同定や腫瘍のステージングには、CTが用いられることが最も多いが、ヒトの医療ではMRIがルーチンに利用されている。前向きの予備試験に6頭の鼻内腫瘍の犬を登録し、CTとMRIを同一の麻酔エピソードのもとで行った。 鼻腫瘍の二次元測定、ヒストリカルスキームを用いた腫瘍のステージング、腫瘍-軟部組織境界における腫瘍辺縁明瞭度の順序尺度の割り当てに関する2つの画像検査間の比較と、観察者間比較を行った。仮説には、CTに比較してMRIは腫瘍の測定により優れており、ステージングの結果が高く、腫瘍-軟部組織境界がより明瞭であるというものを含めてた。
 鼻腔と頭部の骨浸潤の評価は、CTとMRIで高い水準で一致した。二次元測定による腫瘍体積の見積もりは6頭中5頭でMRIが優れており、腫瘍体積の中央値はCTよりもMRIで18.4%多かった。CTとMRIの不一致は髄膜の増強についてでみられ、2頭の犬がCTでは髄膜の増強が陰性でMRIでは陽性であった。 6頭中1頭でCTに比較してMRIの方が高いステージであったが、5頭では一致した。CTと比較すると、MRIでは二次元測定と体積の見積もりで大きな結果となり、髄膜の増強を高く検出する。MRIは腫瘍のステージング、予後、治療計画のために不可欠な情報を提供できるかもしれない。


==訳者コメント===
・MRIの方がより精密に評価ができるようですが、それが治療などのアクションにどれくらいインパクトのあることなのか、という疑問はあります。臨床的な診断レベルとしてどちらを必要とするのかは個々に考える必要があると思います。

・腫瘍体積や辺縁の正確な評価は放射線治療にとっては大事なことなのでしょうか。 

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