ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

タグ:MRI

Lichtenhahn, Vera, et al.
"Evaluation of L7‐S1 nerve root pathology with low‐field MRI in dogs with lumbosacral foraminal stenosis."
 
Veterinary Surgery (2020).

PubMedリンク PMID:32342548
本文:無料公開なし

タイトル:腰仙部椎間孔狭窄のある犬における低磁場MRIによるL7-S1神経根病理の評価

==アブストラクト=== 
目的:腰仙部椎間孔狭窄症および神経根障害と関連する低磁場MRI所見を記述し、それらを臨床所見と相関させること。

研究デザイン:回顧的研究。

動物:腰仙結合部の臨床検査と標準化されたMRI検査を行った家庭飼育犬(n=240)。

方法:神経学的臨床評価と腰仙結合部のMRIによる変性性腰仙部狭窄症のある犬の医療記録を用い、画像病理を記述し、それらを臨床状態と関連づけた。

結果:合計で480の神経抗が評価された。椎間孔の脂肪信号の減少が364/480の神経孔で同定され、そのうち87.9%(n=320)で神経根の変化も同時にみられた。L7の神経根障害のMRIの特徴には、背側斜位エコー勾配STIRにおける神経根の腫大とその周囲の軟部組織の高信号、およびT1強調像の横断像における神経根の形、大きさ、位置の変化があった。神経根障害は、全周性の椎間孔狭窄(絞扼)と限局的な椎間孔狭窄(圧迫)のいずれの結果としてもみられた。側方脊椎の脊椎症と椎間の面関節の変化は、最も一般的な脊椎と神経椎間孔の病理であった。片側性の腰仙部画像所見のある犬の85%(n=65)で、同側の後肢に臨床徴候が存在した。

結論:脂肪信号の消失はL7の神経根障害および椎間孔狭窄と関連している可能性が高かった。片側性の病変は一般に、同側肢の臨床徴候と関連した。

臨床的意義
:低磁場MRIによって明らかとなる椎間孔の脂肪信号の消失は、神経根障害とその基礎となる狭窄の評価を促すものであり、臨床所見と関連があり、臨床所見と組み合わせることで腰仙部椎間孔狭窄症の診断を改善するものと考えられる。
 

Gibrann, Castillo, et al.
"Inner Ear Fluid-Attenuated Inversion Recovery MRI Signal Intensity in Dogs With Vestibular Disease." 
Veterinary radiology & ultrasound: the official journal of the American College of Veterinary Radiology and the International Veterinary Radiology Association.

PubMedリンク PMID:32564460
本文:無料公開なし

タイトル
:前庭疾患の犬における内耳のFLAIR MRI信号強度

==アブストラクト=== 
 内耳には内リンパと外リンパが含まれている。後者は比較可能であり、脳脊髄液(CSF)との連続性があり、正常であればFLIAR MRIで抑制されると予測される。内耳のFLAIRの異常は内耳疾患のあるヒトで広く述べられているが、犬における診断的価値は示されていない。この回顧的コホート研究の目的は、前庭疾患の犬におけるFLAIR MRIの診断的有用性を調べることである。


  医療記録の再調査を行い、前庭徴候のために頭部MRIを行った犬101頭を同定した。最終診断をもとに、患者は3つのグループに分類された;中内耳炎、特発性前庭障害、中枢性前庭障害。さらに対照
グループ(n=73)MRIが正常で前庭徴候のない犬を含めた。関心領域(ROI)を用いて内耳を描出し、FLAIRとT2強調像で信号強度を測定した。FLAIRにおける抑制の割合を計算し、一般線形混合モデルを用いて個々の罹患側と非罹患側とを比較し、グループ間でも比較した。抑制と脳脊髄液の細胞数および蛋白濃度との関連を評価した。 

 中内耳炎の犬の罹患した内耳では、罹患してない側に比べて(p<0.001)および他のすべてのグループに比べて(p<0.01)、FLAIRにおける抑制が減少していた。脳脊髄液の結果と抑制の間にには有意な相関は検出されなかった。これらの結果により、罹患した内耳における抑制の欠如による中内耳炎におけるFLAIRの診断的価値が示された。
 

HORI, Ai, et al.
"Porencephaly in dogs and cats: relationships between magnetic resonance imaging (MRI) features and hippocampal atrophy."
 
Journal of Veterinary Medical Science(2015): 14-0359.

PubMedリンク PMID:25786357
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:犬と猫の孔脳症;MRIの特徴と海馬萎縮の関係

==アブストラクト=== 
孔脳症は先天性の脳の欠損を伴うまれな奇形であり、獣医療におけるMRI所見に関する報告はほとんどない。人では孔脳症のMRIの特徴は、片側または両側の海馬萎縮との伴存として認識されており、 それは発作症状を引き起こす。われわれは先天性孔脳症の犬2頭と猫1頭について研究し、臨床徴候とMRIの特徴について調べ、海馬萎縮と関連するMRI所見について議論した。主な臨床徴候は発作症状であり、全てで病変側またはより大きな欠損側に海馬萎縮があった。海馬萎縮または嚢胞の大きさは臨床徴候の重症度と関連しており、それは孔脳症と海馬萎縮の並存はヒトと同様であることを示唆している。

Posch, Barbara, Jane Dobson, and Mike Herrtage.
"Magnetic resonance imaging findings in 15 acromegalic cats." 
Veterinary Radiology & Ultrasound 52.4 (2011): 422-427.

PubMedリンク PMID:21447042
本文:無料公開なし

タイトル:先端巨大症の猫15頭におけるMRI所見

==アブストラクト===
猫の先端巨大症は、慢性の過剰な成長ホルモンの分泌を特徴とし、ほとんどが機能性の下垂体腺腫によって引き起こされる。この研究では、15頭の猫で一致した臨床徴候、検査所見、およびMRI所見をもとに先端巨大症を診断した。MRI所見は回顧的に再調査した。
トルコ鞍上部の拡張を伴う下垂体の腫大がすべての猫で存在した。T1強調像とT2強調像において特徴的な信号パターンは特定されなかった。造影増強はすべての猫で不均一であり、隣接する視床下部への関与が疑われた。海綿静脈洞と第三脳室へのマスエフェクトが13頭の猫でみられた。軽度の腫瘍周囲の浮腫が4頭の猫でみられ、1頭では中等度の浮腫がみられた。テント切痕ヘルニアが1頭でみられた。2頭で下垂体腺腫が病理組織学的に確定された。先端巨大症の診断の確立にMRIは有用な検査だ。 

Chang, Y., et al.
"Magnetic resonance imaging of traumatic intervertebral disc extension in dogs." 
Veterinary Record 160.23 (2007): 795-799.

PubMedリンク PMID:17558027
本文:無料公開なし

タイトル:犬における外傷性椎間板脱出のMRI

==アブストラクト===
この回顧的研究では、11頭の犬の外傷性椎間板脱出のMRIについて評価した。髄核の体積と信号強度の減少、T2強調像での上部脊髄内の巣状の高信号、微妙な脊髄圧迫、脊柱管内の異物または信号の変化、といった所見がみられた。 脊髄内の最も大きい高信号領域は、罹患した椎間板腔の直上もしくは直近であり、非対称に見え、多くの症例でその長さは1椎体未満であった。脊髄実質での出血が4頭の犬で確認された。真空現象(椎間板の中央の信号がない所見)は、2頭の犬でみられた。MRIは、報告されている脊髄機能不全の他の原因のものとは異なっていた。
 

Fischer, M. C., C. Busse, and A. M. Adrian.
"Magnetic resonance imaging findings in dogs with orbital inflammation." 
Journal of Small Animal Practice (2018).

PubMedリンク PMID:30277263
本文:無料公開なし

タイトル:眼窩炎のある犬のMRI所見

==アブストラクト===
目的
:犬の眼球後部炎のMRIの特徴と、それらの臨床所見および転帰との関連について記述し、眼窩異物の検出におけるMRIの価値について評価すること。

方法
:低磁場MRIを行い眼球後部炎の確定(23/31)または疑い(8/31)のある犬の臨床記録を回顧的に再調査した。

結果
:この研究に含まれた犬31頭中、19頭に膿瘍があった。外眼筋炎(27/31)が、3頭では斜視と並存してみられた。 眼球突出のある患者25頭のうち、14頭では視神経の腫脹が併発しており、そのうち5頭では永続的な視力喪失に至った。神経の腫脹がない患者では視力の喪失はみられなかった。MRIで網膜剥離が疑われた1例は、臨床的な確定が得られた。側頭筋、咬筋、および翼状筋におよぶ広範囲の造影増強の異常は、顔面神経(n=3)と三叉神経(n=1)の障害と関連した。鼻腔と前頭洞への炎症の拡大(1/31)または髄膜の造影増強(2/31)のある患者3頭では、視神経および動眼神経の障害を示した。MRIのおける異物は、20/31頭でみられず、11/31頭では「ありそう」にみえた。1例で手術により異物が確認された。

臨床的意義
:MRIは眼球後部炎の広がりの輪郭を描く。臨床所見は画像所見と関連しており、MRIは異物の存在を過剰評価した。
 

Armour, Micki D., et al.
"A review of orbital and intracranial magnetic resonance imaging in 79 canine and 13 feline patients (2004–2010)." 
Veterinary ophthalmology 14.4 (2011): 215-226.

PubMedリンク PMID:21733062
本文:無料公開なし

タイトル:犬79頭と猫13頭の患者における眼窩および頭蓋内のMRIのレビュー

==アブストラクト===
目的:獣医眼科専門医に紹介されMRIを行なった犬と猫における眼窩および頭蓋内の疾患の分布について検討し、MRIの結果と、腫瘍、視神経炎の疑い、眼窩蜂巣炎などを含む病理学的な状態との相関を得ること。広く認識されている、および新規の画像技術についてレビューした。

方法:犬79頭と猫13頭の患者医療記録を再調査した。

結果:腫瘍が53/92(57.6%)の患者で診断された。最も多い腫瘍のタイプは癌腫(16/53, 30.1%)、肉腫(11/53, 20.8%)、リンパ腫(8/53, 15.1%)、および髄膜腫の疑い(9/53,17.0%)があった。癌腫と肉腫は、骨融解と頭蓋内/服鼻腔への進展という特徴があった。リンパ腫は一般的に片側性で、非浸潤性で、眼窩の正中腹側から発生していた。髄膜腫を疑う頭蓋内腫瘤は、”デュラルテイル(dural tail)”サインを示すことが多かった。視神経炎の疑いの診断は13/92頭(14.1%)の患者でなされた。視神経炎疑いの患者のMRIの結果には、片側性の視神経の高信号(3/13, 23.0%)、両側性の視神経の高信号(1/13, 7.7%)、および視交叉の高信号(3/13, 23.0%)がみられた。視神経炎疑いの患者の7頭で、頭蓋内の多巣性の斑状の造影増強(7/13, 53.8%)を示した。眼窩蜂巣炎の診断は12/92頭(13.0%)の患者でなされた。

結論
:眼窩の腫瘍は最も多い病理学的状態として検出された。レントゲンの本質的な特徴は、眼窩または頭蓋内の疾患のある患者で、病理学的な病態を診断し、予後を提供する際に役立つ。MRIは視神経炎を疑う患者における重要な診断要素を構成する。新たな造影および機能的MRI技術ならびにSIデータは、疾患過程を特徴づける我々の能力を高める可能性がある。
 

Lux, Cassie N., et al.
"PROSPECTIVE COMPARISON OF TUMOR STAGING USING COMPUTED TOMOGRAPHY VERSUS MAGNETIC RESONANCE IMAGING FINDINGS IN DOGS WITH NASAL NEOPLASIA: A PILOT STUDY."
 
Veterinary Radiology & Ultrasound 58.3 (2017): 315-325.

PubMedリンク
本文:無料公開なし

==アブストラクト===
 犬の鼻の腫瘍の拡がりの同定や腫瘍のステージングには、CTが用いられることが最も多いが、ヒトの医療ではMRIがルーチンに利用されている。前向きの予備試験に6頭の鼻内腫瘍の犬を登録し、CTとMRIを同一の麻酔エピソードのもとで行った。 鼻腫瘍の二次元測定、ヒストリカルスキームを用いた腫瘍のステージング、腫瘍-軟部組織境界における腫瘍辺縁明瞭度の順序尺度の割り当てに関する2つの画像検査間の比較と、観察者間比較を行った。仮説には、CTに比較してMRIは腫瘍の測定により優れており、ステージングの結果が高く、腫瘍-軟部組織境界がより明瞭であるというものを含めてた。
 鼻腔と頭部の骨浸潤の評価は、CTとMRIで高い水準で一致した。二次元測定による腫瘍体積の見積もりは6頭中5頭でMRIが優れており、腫瘍体積の中央値はCTよりもMRIで18.4%多かった。CTとMRIの不一致は髄膜の増強についてでみられ、2頭の犬がCTでは髄膜の増強が陰性でMRIでは陽性であった。 6頭中1頭でCTに比較してMRIの方が高いステージであったが、5頭では一致した。CTと比較すると、MRIでは二次元測定と体積の見積もりで大きな結果となり、髄膜の増強を高く検出する。MRIは腫瘍のステージング、予後、治療計画のために不可欠な情報を提供できるかもしれない。


==訳者コメント===
・MRIの方がより精密に評価ができるようですが、それが治療などのアクションにどれくらいインパクトのあることなのか、という疑問はあります。臨床的な診断レベルとしてどちらを必要とするのかは個々に考える必要があると思います。

・腫瘍体積や辺縁の正確な評価は放射線治療にとっては大事なことなのでしょうか。 

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